◎ホワイトハウスは4月30日の声明で、「北朝鮮の完全な非核化に向けた取り組みは道半ばであることを理解したうえで、アメリカは目的を達成するための取り組みを継続する」と誓約した。
2019年6月30日/韓国、南北を隔てる非軍事エリア、ドナルド・トランプ大統領(当時)と金正恩(ゲッティイメージズ/Api/Gamma-Rapho)

主要メディアによると、バイデン政権は数カ月にわたる北朝鮮政策会議を終了し、核武装した独裁国家に対する道筋の詳細をまもなく示す予定だという。

北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の脅威が拡大する中、アメリカの主要同盟国である日本と韓国は、より厳しい政策になることを大いに期待している。

金正恩 党総書記は今年、短距離弾道ミサイルの発射テストでジョー・バイデン大統領をけん制し、非核化の推進と経済制裁をやめるよう促した。

しかし、ホワイトハウスは4月30日の声明で、「北朝鮮の完全な非核化に向けた取り組みは道半ばであることを理解したうえで、アメリカは目的を達成するための取り組みを継続する」と誓約した。

ドナルド・トランプ前大統領は金正恩と個人的な関係を構築し、核の放棄を求めたが、最終的には失敗に終わった。

バラク・オバマ元大統領の厳しい経済制裁は北朝鮮の経済に深刻な影響を与えたが、金正恩は折れなかった。

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は記者団に対し、「バイデン大統領は戦略的忍耐に依存しない」と述べ、オバマ政権とは異なるアプローチを取ると強調した。戦略的忍耐はオバマ政権のアプローチ(制裁を科し、北朝鮮が折れるのを我慢強く待つ)を定義した用語である。

サキ報道官は政策の詳細を明らかにしなかったが、「北朝鮮との外交を受け入れ、探求し、安全性を高める実用的な進歩を遂げるために、調整された実用的なアプローチを展開する」と述べ、交渉再開に向けた取り組みを加速させると示唆した。

2021年1月14日/北朝鮮、平壌、金正恩(ロイター通信)

トランプ前大統領は金正恩との直接会談に応じたが、バイデン大統領は以前、実務レベルの交渉で非核化に向けた動きが進展しない限り、首脳会談が開催されることはないと述べている。

トランプ前大統領と金正恩は2018年6月のシンガポール首脳会談で共同声明に署名した。これは朝鮮半島の完全な非核化と、両国間の信頼を築くためのいくつかの措置を約束する拘束力のない合意である。

しかし、マイク・ポンペオ前国務長官以下の実務レベルの協議は進展せず、2回目の米朝首脳会談は失敗に終わった。

政府高官はワシントン・ポスト紙の取材に対し、「現政権は交渉前に完全な取引は要求しないだろう」と述べた。「トランプ政権を含むこれまでの政権に共通していることは、北の問題と脅威に対処できなかったことです。バイデン政権のアプローチは、シンガポール協定およびそれ以前の協定に基づいて構築されます」

バイデン大統領は5月21日に韓国の文在寅 大統領をホワイトハウスに招き、北朝鮮問題などについて話し合う予定である。バイデン大統領と菅義偉 首相は先日の首脳会談後の共同声明で、「国連安保理決議の完全な履行(制裁の維持)」と完全な非核化に向けた取り組みを推し進めると強調した。

2021年3月31日/ペンシルベニア州ピッツバーグ、ジョー・バイデン大統領(ジョナサン・エルンスト/ロイター通信)
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