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2026年に施行される米国州法、ホテル、AI、気候変動をカバー

ハワイ州では観光客向けの新たな税制度が施行される。
米ハワイ州のマウイ島(Getty Images)

2026年に入ると、米国各州で新たな州法が多数施行される。対象は観光、人工知能(AI)、気候変動対策、医療保険など多岐にわたり、州ごとに住民や事業者の日常生活に影響を及ぼすものが含まれている。

ハワイ州では観光客向けの新たな税制度が施行される。これまでホテルやバケーションレンタルに適用されていた税率を引き上げるとともに、クルーズ船の客室にも同様の税を課すことになった。この税収は約1億ドル規模で気候変動対策や環境保全プロジェクトに充てられる見込み、州当局は島嶼地域の災害対応力強化に不可欠だとしている。業界団体からは訴訟を含めた反発も出ている。

ユタ州ではアルコール販売に関する規制が強化される。1月1日からすべての飲酒客は見た目の年齢に関係なく身分証明書の提示が義務づけられる。また、過去に飲酒運転で有罪判決を受けた人については「酒類販売不可」の表示が入った新たな身分証が必要となる措置も始まる。これらは飲酒に起因する事故防止を目的としている。

ニューヨーク州では民間保険会社に対してがん治療を受ける患者への特定の保険給付を義務づける法律が施行される。具体的には化学療法に伴う脱毛を抑えるための冷却療法(スカルプクーリング)の費用を保険がカバーするようになる。この制度は、がん患者の生活の質向上を図るものとして評価されている。

環境保全の観点では、イリノイ州がホテルにおける使い切りの小型プラスチック製アメニティの提供を原則禁止する法律を施行する。シャンプーやコンディショナーなど容量6オンス未満の容器は、客からの要望がない限り客室に置けなくなる。この措置はプラスチック廃棄物削減の一環として導入された。

テクノロジー分野では、カリフォルニア州が「AIチャットボット」に関する安全規制を導入する。対話型AIプラットフォームが利用者、特に未成年者に提供するサービスについて、利用者がAIと対話していることを明示することや、自殺や自傷行為に関する有害な内容を提供しないためのプロトコル整備が義務づけられる。この法律はAI活用に伴うリスク管理を強化する狙いがある。

ジョージア州では、遠隔歯科診療(テレデンティストリー)が一部のサービスで認められることになった。この新しい枠組みにより、患者はオンラインでの診察や評価を受けることが可能になる一方、実際の治療や検査には制約が設けられている。

これらの法律は州ごとに内容が異なるものの、観光産業への課税強化、AIの安全規制、環境対策や医療保障の充実といったテーマで共通する動きがみられる。各州は連邦政府が追いつかない政策課題に対応するため独自の立法を進めており、今後も社会や経済の実態に即した法制度の整備が注目される。

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