米国、がん診断後5年生存する患者が増加、人種や民族による格差も
がんは依然として主要な死因であり、2026年には200万人以上が新たにがんと診断され、62万人以上ががんで死亡すると予測されている。
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米国では新たながん統計が発表され、がんと診断された患者の5年生存率が過去最高水準に達していることが明らかになった。米がん協会(American Cancer Society, ACS)の最新報告によると、すべてのがんを合わせた5年相対生存率は70%に達し、10人に7人が診断後5年以上生存しているという。これは同協会が統計を取り始めた1970年代と比べて大きく改善した数字で、当時は5年生存率が50%にも満たなかった。
この記録的な改善は、がんの早期発見技術や治療法の進歩、そして喫煙率の低下が背景にあるとされる。ACSはこの結果について、「本当に感動的なマイルストーンだ」と述べ、早期スクリーニングや治療の強化が生存率向上に寄与したと指摘している。
特に進行がんとされる血液がんの一種である骨髄腫や肝臓がん、肺がんなどにおいても生存率が著しく向上している。ACSの報告によると、こうした「致死率の高いがん」での5年生存率は過去数十年で大幅に伸びており、多くのがんがかつてのような「死の宣告」ではなく、治療によって慢性疾患として管理可能な病気になりつつあるという分析も示されている。
とはいえ、がんは依然として主要な死因であり、2026年には200万人以上が新たにがんと診断され、62万人以上ががんで死亡すると予測されている。死亡者数は依然として高く、がん治療やケアのさらなる改善が求められている。
また、報告書は人種や民族による生存率の格差にも言及している。特に先住民や黒人コミュニティーではがん診断率や死亡率が高く、生存率でも不利な状況が続くとし、医療へのアクセス格差や生物学的要因などがその背景にあると分析している。医療の公平性を改善し、すべての患者に最適な治療を行き渡らせることが課題となっている。
ACSのレポートでは、今後の研究資金や保険制度の変化ががん治療の進展に影響を与える可能性にも触れられている。がん研究への資金提供や予防・早期発見プログラムへの投資が減少すれば、これまでの進歩が足踏みするリスクがあると指摘され、専門家らは「ここで止まるわけにはいかない」と強調している。
医療関係者は、今後も新たな治療法や早期診断技術の開発・普及を進めることが重要だとしつつ、患者や社会全体ががんとより良く向き合うための取り組みを強化する必要性を訴えている。
