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米ニュージャージー州でヘリ同士が空中衝突・墜落、2人死傷

ハモントン警察署によると、救助隊は現地からの通報を受け、午前11時25分ごろに事故現場に到着。消防隊は1機が炎に包まれているのを確認し、消火活動を行った。
2025年12月28日/米ニュージャージー州ハモントン、ヘリコプター同士が空中衝突した現場(AP通信)

ニュージャージー州南部ハモントンで12月28日午前、2機のヘリコプターが空中で衝突・墜落し、1人が死亡、もう1人が重体となっている。地元当局が明らかにした。衝突・墜落後、2機のうち1機は炎上したという。地上で墜落に巻き込まれた人はいなかった。

ハモントン警察署によると、救助隊は現地からの通報を受け、午前11時25分ごろに事故現場に到着。消防隊は1機が炎に包まれているのを確認し、消火活動を行った。現場の映像には、1機のヘリが制御を失い急降下する様子が映っていた。

連邦航空局(FAA)は声明で、2機はハモントンの空港上空で空中衝突したと説明した。衝突した機体はともにエンストロム製の小型ヘリコプターで、1機がF28A、もう1機が280C型だった。各機には操縦士1人が搭乗し、乗客はいなかった。

事故で1人の操縦士が死亡、もう1人が意識不明の状態で病院に搬送された。地元当局はパイロットの身元について明らかにしていない。

衝突原因は現時点で不明、FAAと国家運輸安全委員会(NTSB)が合同で調査を進める予定としている。

調査では両機の間で交信が行われていたか、視認による回避が可能だったかなどが重点的に検証される見込みだ。元FAAおよびNTSBの事故調査官はAP通信の取材に対し、「空中衝突の多くが見るべきものを見落とすという問題に起因している」と指摘した。調査官らは両機の視界や互いの位置、当時の飛行状況などを詳しく調べる方針だ。

現場の天候については、曇りだったものの風は弱く、視程は良好だったとの報告がある。これにより気象条件が衝突の直接的要因である可能性は低いとみられているが、詳しい原因究明には時間を要する見込みだ。

ハモントンは人口約1万5000人の小都市、フィラデルフィアの南東約56キロに位置している。周辺は農業地帯と広大な森林地帯であるパインバーンズに囲まれている。今回の事故は地域住民に衝撃を与えており、警察や消防当局は住民に対して現場周辺の立ち入りを控えるよう呼びかけている。

FAAとNTSBは事故調査にあたり、機体の残骸や飛行データの収集、操縦士の訓練記録など幅広い情報を分析するとしている。

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