米SNS依存裁判、陪審員が原告の訴え認める、メタとグーグルに賠償命令
原告は現在20歳の女性で、幼少期から動画共有サイトや写真共有アプリを長時間利用し、うつ症状や不安障害などの精神的問題を抱えるようになったと主張していた。
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米カリフォルニア州ロサンゼルスで行われていたソーシャルメディア依存を巡る訴訟で、陪審員は25日、IT大手メタとグーグルに責任があるとの判断を下した。若年期からSNSを利用していた女性のメンタル被害について、企業側の設計や対応に過失があったと認定したもので、同種訴訟の行方を左右する画期的判決と受け止められている。
原告は現在20歳の女性で、幼少期から動画共有サイトや写真共有アプリを長時間利用し、うつ症状や不安障害などの精神的問題を抱えるようになったと主張していた。裁判ではサービスが注意を引き続けるよう設計されていた点や、危険性に関する十分な警告がなかった点が争点となった。陪審は両社がサービスの設計・運用において注意義務を怠り、利用者、とりわけ未成年に対するリスクを認識しながら適切な対応を取らなかったと結論づけた。
賠償額は計300万ドルで、内訳はメタが約7割、グーグルが約3割を負担する形となった。さらに懲罰的損害賠償については別途審理が行われる見通しであり、最終的な負担額はさらに増える可能性がある。
今回の裁判の特徴は、投稿内容ではなく「プラットフォームの設計」そのものに焦点を当てた点にある。従来、米国では通信品位法230条により、企業は利用者が投稿した内容について責任を免れるケースが多かった。しかし本件では、無限スクロールや自動再生、通知機能といった依存性を高める設計が問題視され、「製品の欠陥」として責任を問う構図が採られた。これにより、IT企業の法的責任の範囲が拡大する可能性が指摘されている。
原告側は企業が若年層の利用拡大を優先し、依存性の高い仕組みを意図的に導入していたと主張した。一方、両社は精神的問題の原因は家庭環境など複合的要因によるものであり、SNSが直接の原因ではないとして争ったが、陪審は原告側の主張をおおむね認めた。
この判決は全米で提起されている数千件規模の同種訴訟に影響を与える「試金石」と位置づけられている。若者のメンタルヘルスとSNSの関係を巡る議論が強まる中、各州で規制強化の動きも進んでおり、今後は企業に対し安全対策や設計の見直しを求める圧力が一層高まるとみられる。
もっとも、メタとグーグルはいずれも判決を不服としており、上訴する方針を示している。巨大テック企業の責任範囲を巡る法的判断は今後も争われる見通しで、今回の評決が最終的な結論となるかは不透明である。それでも、本評決はソーシャルメディアの影響力と企業責任をめぐる議論に新たな転機をもたらしたと言える。
