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米玩具大手マテルが「自閉症バービー」を開発、多様性と包摂

新しい自閉症バービーは、自閉症スペクトラムにある人々のさまざまな感覚や行動の特徴を示すデザインが取り入れられている。
バービー人形(Getty Images)

玩具大手マテル・インターナショナル(Mattel)は多様性と包摂(インクルージョン)をテーマにしたバービー人形シリーズ「Barbie Fashionistas」に自閉症のバービー人形を新たに加えると発表した。自閉症を持つ人々の体験や表現の多様性を反映させることを目的としたもので、同社はこの人形の開発に約18カ月かけ、米国の非営利団体「ASAN(Autistic Self Advocacy Network)」と協力した。

新しい自閉症バービーは、自閉症スペクトラムにある人々のさまざまな感覚や行動の特徴を示すデザインが取り入れられている。具体的には目線がわずかに横を向く造形を採用し、直接的な視線を避ける傾向がある人々の感覚を表現したほか、関節部分が可動式の肘や手首を持たせることで、感覚入力を処理したり、興奮や安心感を得る際に見られる自らの手を動かす行動(スティミング)に対応できるようにしている。

衣装は縫い目や生地との接触に敏感な人にも配慮し、ゆったりとしたAラインのワンピースが採用され、安定した歩行を助けるフラットシューズが履かされている。付属品としては、ピンク色のフィジェット・スピナー(指に装着する感覚玩具)、騒音を遮断するヘッドフォン、そして話すのが難しい場合に使われる補助コミュニケーション用と見られるタブレット型デバイスなどが同梱される。

また今回のバービーは、インド系の顔立ちを参考にするなど、自閉症コミュニティ内でも過小評価されがちなグループを表現する意図が盛り込まれているという。ASANは自閉症の特徴が一様でないことを強調しつつ、「自閉症は一つの見た目では表現できないが、さまざまな表現の一部を示すことができる」と述べている。

マテルはすでに2023年にダウン症のバービーを発売し、昨年夏には1型糖尿病のバービーを投入しているほか、義足や補聴器を持つ人形、多様な体型や肌の色を持つバービーもラインナップしている。このような多様性を重視した展開は、子どもたちが自身や他者の違いを理解し尊重する助けになると同社は説明している。

自閉症バービーは、米国ではマテル公式オンラインショップと大手小売店Target(ターゲット)で発売され、希望小売価格は11.87ドル(約1800円) である。ウォルマートでも3月以降に取り扱いが開始される見込みだ。

疾病対策センター(CDC)の報告によると、米国における8歳児の自閉症の推定有病率は31人に1人、特に男児や特定の人種・民族で高い傾向があるという。こうした背景を受け、多様な子どもたちに寄り添う商品の必要性が高まっているとの指摘もある。

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