ディストピア／マケナニー米報道官、感謝祭の制限をオーウェルと呼ぶ

ホワイトハウスのケイリー・マケナニー報道官は、感染症のエキスパート、健康の専門家、州知事などが必死になって推奨するコロナウイルスの制限を「オーウェル」と呼んだ。

ジョージ・オーウェルとは

イギリスの作家、ジャーナリスト。全体主義的ディストピアの世界を描いた「1984年」の作者。「1984年」のような世界を描いた監視管理社会を「オーウェリアン」（Orwellian）と呼ぶ。

Wikipedia「ジョージ・オーウェル」より

第二波に飲み込まれた州の知事は、「感謝祭でのターキーと楽しい会話は諦めなさい」と強く呼びかけている。

しかし、マケナニー報道官は、ウイルスへの対処方法を個人に任せるのが「自由の国、アメリカだ」と主張した。

18日、マケナニー報道官はお膝元のフォックス＆フレンズのインタビューの中で、コロナウイルスのガイドラインについて質問され、次のように答えた。

ケイリー・マケナニー報道官：
「あなたが見ているガイドラインの多くはオーウェルだ」

「私たちがこの国で自由を失うことはない。私たちは個人で考え、健康上の決定を下す」

感染症のエキスパートである国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長はUSAトゥディの取材に対し、「ホリデー休暇の旅行や感謝祭での集会はよく考えるべきだ」と警告した。

保健福祉長官のアレックス・アザ―ル氏は、18日に開催されたワクチンに関するブリーフィング後の記者会見で、疾病予防管理センター（CDC）のガイドラインを引用し、次のように述べた。

アレックス・アザ―ル保健福祉長官：
「今年の感謝祭を祝う最も安全な方法は、一緒に住んでいる家族と自宅で過ごすことだ」

「家族以外の人と屋内で集まることは、コロナウイルスを広めるリスクの高い行動である」

ファウチ博士や他の専門家は、自宅内でもマスクを着用するよう呼び掛けている。

マケナニー報道官によると、「アメリカ人は何カ月もコロナウイルスと共生しており、自分の身を守る方法を熟知している」という。

ケイリー・マケナニー報道官：
「オレゴン州のようなオーウェリアンにいるオーウェル人は、あなたの自宅に現れ、集会人数をチェックし、制限を上回っていれば逮捕、刑務所に入れと言うかもしれない。それはアメリカのやり方ではない」

オレゴン州のケイト・ブラウン民主党州知事は17日の記者会見で「限界点に達した」と言い、新たな制限を発表している。

ブラウン州知事は親睦会の人数を6人以下に制限し、違反した者は罪に問われる可能性があると述べた。

第二波に直面しているワシントン州とミシガン州も同様の制限を課している。

マケナニー報道官はフォックス＆フレンズのアンカーに「何をすべきを決めるのは州知事であって、ホワイトハウスは一切関与しないということか？」と質問され、「個人の自由」と繰り返した。

ケイリー・マケナニー報道官：
「州の対応を決めるのはもちろん州知事。責任も州知事が全て負う」

「私たちは手を洗い、マスクを着用し、社会的距離を保つことができる。しかし、家族と会うかどうかを決めるのは個人の自由、自宅でどう過ごすかを決めるのも個人の自由、それがアメリカのやり方だ」

次期大統領のジョー・バイデン氏は反対のアプローチを強く呼びかけている。

18日に最前線で戦う医療従事者たちとオンライン会議を行ったバイデン氏は自身の感謝祭について、「ゲストを大幅に削減した」と述べた。

ジョー・バイデン氏：
「ガイドライン、専門家、州知事、そして私が言っている通りだ」

「家族以外を自宅に招くことはできないため、今年の感謝祭は3人で過ごすことになる」

バイデン氏は16日に、「来年の感謝祭とクリスマスは、知人や友人と楽しく過ごせるようにしたいと思っている」と述べた。

ジョンズ・ホプキンズ大学のまとめによると、アメリカの累計感染者数は1,180万件、累計死亡者は25.2万人。19日の新規陽性数は187,396件、死亡者は1,962人だった。

【世界の感染状況／11月20日時点】

4:50にオーウェルと発言