米国2025年11月求人数710万件、過去5年で2番目に低い水準に
労働省が7日に発表した25年11月の求人・労働市場データ(JOLTS)によると、企業や政府機関が募集した求人数は710万件で、前月の740万件から減少した。
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米国における求人件数が低水準にとどまり、企業の採用意欲が依然として弱いことが明らかになった。労働省が7日に発表した25年11月の求人・労働市場データ(JOLTS)によると、企業や政府機関が募集した求人数は710万件で、前月の740万件から減少した。これは24年9月以来の低い水準であり、その月を除くと過去5年間で2番目に低い水準である。
求人件数の減少は、雇用拡大の足踏みを示すものである。多くの企業は現有の従業員を維持する姿勢を見せ、解雇件数は減少しているものの、新規雇用の積極的な増加には至っていない。こうした動きは「ロー・ハイヤー、ロー・ファイア(低採用・低解雇)」という特徴を持つ労働市場の継続を示しており、既存労働者に一定の雇用安定をもたらす一方で、失業者や新規求職者にとっては仕事探しが困難な状況が続いている。
この求人動向は、経済全体の状況と対照的である。25年7〜9月期の米国の実質GDP成長率は年率換算で4%を超えるなど、比較的堅調な経済成長が確認されているが、労働市場の勢いはこの経済成長に十分連動していない。経済成長が続く中で採用が伸び悩む背景として、企業の慎重な投資姿勢や政策・規制への不確実性、人工知能(AI)や自動化技術の導入による労働需要の変化などが指摘されている。
業種別に見ると、輸送・物流、宿泊・飲食、州・地方政府部門での求人減少が顕著だったのに対し、小売や建設分野では求人がやや増加した。このことは、業界ごとに労働需要の動きに差があることを示しているが、全体の求人件数が低迷していることに変わりはない。
また、求職者による自発的離職(退職)件数はわずかに増加し、316万人となった。この動きは、労働者側の自信やより良い条件を求める動きが一部で見られることを示唆するが、依然として歴史的には低い水準にある。加えて、民間調査会社ADPのデータによると、25年12月には中小企業を中心に4万1000件の雇用が増加したとの報告もあり、雇用の底堅さが一部で見られるものの、依然として弱い回復傾向にとどまっている。
専門家は、2026年の労働市場の見通しについて、今後公開される25年12月の雇用統計が重要な指標になると指摘している。強い経済成長が続く中で、企業が採用を本格的に拡大できるかどうか、その鍵はこれからのデータに委ねられている。以上の状況は、米国経済における労働市場と景気の関係が依然として複雑な状態にあることを示している。
