◎グーグルは個人アカウントの2段階認証を推奨している。
トランプ前米大統領(右)とランニングメイトのJ・D・バンス上院議員(ロイター通信)

IT大手グーグルは14日、イランに関連するハッカー集団がトランプ陣営とバイデン陣営にハッキングを仕掛けていたことが確認されたと明らかにした。

グーグルが公表したレポートによると、このハッカー集団は現職および元政府高官を含む、トランプ陣営とバイデン陣営に関連する12人の個人メールアカウントにログインを試みたという。

グーグルはこう説明している。「イランのハッカー集団は今年5月と6月、バイデン(Joe Biden)大統領とトランプ(Donald Trump)前大統領に関連するおよそ12人の個人メールアカウントを標的とし、それには現職、元高官、選挙戦の関係者が含まれていた。当社は標的となった個人メールアカウントにログインしようとする多数の試みをブロックした...」

グーグルは個人アカウントの2段階認証を推奨している。

グーグルはレポートの中で、「この組織はイラン革命防衛隊(IRGC)に関連するハッキンググループである」と指摘している。

それによると、この集団は主にイスラエルと米国のユーザーを標的にしており、その中には著名人も含まれているという。

トランプ陣営は先週、イランのハッキング攻撃を受け、一部の内部文書が漏洩したと発表。トランプ氏のランニングメイトであるJ・D・バンス(JD Vance)上院議員に関する内部調査を含む選挙キャンペーン文書が漏洩したとされる。

グーグルはハッカー集団が複数の個人アカウントへのログインに成功したと指摘。その後、対象のアカウントを保護し、標的となったアカウントに「攻撃受けた」という警告を送信し、7月上旬にはこの活動を法執行機関に報告したとしている。

また同社は「外国を発信源とする悪質な活動が活発化し、個人の電子メールアカウントにおけるセキュリティ保護の強化の重要性を再確認した 」と強調した。

バイデン氏とハリス(Kamala Harris)副大統領の陣営も攻撃を受けたとされるが、現地メディアによると、今のところ被害は確認されていない。

マイクロソフト社も先週、イランのハッカーが今年6月に大統領選の選挙キャンペーンを妨害した証拠があると明らかにしていた。

これはイランに限った話ではなく、米国と敵対するロシアも大統領選や陣営に関する偽情報を積極的に発信している。

マイクロソフト社は2020年の選挙中にも同様のレポートを公表し、イランのハッカーが選挙キャンペーンを標的にしていたと述べていた。

米当局は先月のトランプ氏暗殺未遂事件についても、イランがこれとは全く異なる襲撃事件を計画していた可能性がある指摘。米司法省はその後、イランとつながりがあるとされるパキスタン人男性がこの暗殺計画に関与した疑いで逮捕・起訴されたと発表した。

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