米保健福祉省、5つの民主党州に対し児童ケア資金100億ドルを凍結
HHSは凍結の理由として、これらの州で児童ケアや低所得者支援プログラムにおける不正利用が横行している疑いがあると述べているが、不正がどの程度広範に確認されているかなど詳細な根拠については公表されていない。
.jpg)
米国保健福祉省(HHS)は6日、カリフォルニア州、コロラド州、イリノイ州、ミネソタ州、ニューヨーク州のいわゆる民主党政権の5州に対し、連邦政府が支給する児童ケア支援関連の資金約100億ドル(約1.56兆円)を凍結すると発表した。HHSは凍結の理由として、これらの州で児童ケアや低所得者支援プログラムにおける不正利用が横行している疑いがあると述べているが、不正がどの程度広範に確認されているかなど詳細な根拠については公表されていない。
凍結対象となる資金は主に「児童ケア開発基金(Child Care and Development Fund:CCDF)」「低所得家庭支援の一時的支援制度(Temporary Assistance for Needy Families:TANF)」、および児童を中心とした社会サービスに使われる「社会サービス・ブロック助成金(Social Services Block Grant)」で、合計で100億ドルにのぼると報じられている。TANF分として約73.5億ドル、CCDF分として約24億ドル、社会サービスブロック助成金として約8.7億ドルが含まれる見込みだという。
HHSがこの措置に踏み切った背景には、ミネソタ州で発覚した大規模な福祉不正受給の疑惑があるとされる。ミネソタ州では過去数年にわたり、複数の社会福祉プログラムにおいて不正請求や架空請求が行われていたとして捜査が進められ、過去の監査では過剰請求や不適切支出が指摘されている。また、インフルエンサーが投稿した動画で、ある児童ケア施設が実際には稼働していないにもかかわらず連邦資金を受給していたとする主張が広まったことも、連邦政府による監視強化の引き金になったとしている。
これに対し、対象州の民主党指導者らは強く反発している。ニューヨーク州選出の上院議員は、資金凍結は不正対策とは無関係であり、「貧しい家庭や児童を政治的に攻撃する行為だ」と厳しく批判した。また、カリフォルニア州やコロラド州の当局者も公式な通知をまだ受け取っていないと述べており、凍結措置の具体的な影響や今後の対応については明言を避けている。
専門家らは、今回の資金凍結が地域の児童ケア事業者や低所得家庭に深刻な影響を及ぼす可能性を指摘している。多くの保育施設は連邦資金に依存して運営されており、資金の遅延や停止が長引けば、施設の閉鎖やサービス縮小につながる恐れがある。雇用機会の喪失や、保護者が働くための支援が減少する可能性を懸念する声もある。
一方で、連邦政府は資金凍結を解除する条件として、各州が資金の適正な使用を証明するための監査やデータ提出を求める方針を示しているという。対象州は必要な書類や監査結果を提出し、連邦基準を満たすかどうかを今後精査する見込みである。
この動きは、州と連邦の福祉政策をめぐる緊張を一段と高める可能性があり、今後の議論や法的な展開が注目される。
