米国でインフルエンザ感染急増、750万人が発症=CDC
この数字は今シーズン(2025-26年)の累計であり、これまでに約8万1000件の入院、約3100人の死亡が確認されている。

米国でインフルエンザの感染者が急増しており、今年少なくとも750万人以上が感染した。疾病対策センター(CDC)が12月30日、明らかにした。この数字は今シーズン(2025-26年)の累計であり、これまでに約8万1000件の入院、約3100人の死亡が確認されている。子どものインフルエンザ関連死は今週だけで5件報告され、今シーズンの小児死者数は計8人に達した。
CDCによると、少なくとも20州で「非常に高い」呼吸器疾患活動レベルが観測されており、アーカンソー、コロラド、コネチカット、ジョージア、アイダホ、ルイジアナ、メリーランド、マサチューセッツ、ミシガン、ミネソタなど多くの地域が対象となっている。また、アラバマ、カリフォルニア、フロリダ、インディアナ、テキサスなど9州では「高い」活動レベルが継続している。専門家は、年末年始の旅行や集まり、寒冷な気候の影響もあり、インフルエンザの増加が今後も続くと予測している。
今シーズンの主流となっているのはインフルエンザA型ウイルスのH3N2亜型で、その中でも「サブクレードK」と呼ばれる変異株が多くを占めている。この変異株は夏の間にカナダや日本、イギリスなどでも流行を引き起こしたとみられており、米国内でも感染拡大の主因となっているとされる。
CDCは、今年のワクチンのウイルス株と流行株の一部が一致していない可能性を指摘しているものの、ワクチン接種は重症化や入院、死亡のリスクを減らす効果があるとして、接種がまだの人は今からでも受けるよう強く促している。また、手洗いの徹底、咳エチケット、体調不良時の外出自粛、頻繁に触れる物品の清掃・消毒などの基本的な感染対策の重要性も改めて強調されている。
こうした動きは医療機関への負担も高めている。特に小児や高齢者、基礎疾患を持つ人々の受診が増加しており、呼吸器症状での救急受診や入院が目立つ。また、流行のピークは例年1月から2月にかけて訪れることから、今後さらなる患者の増加が懸念されている。CDCはインフルエンザの監視データを引き続き公開し、地域ごとの状況を把握しながら対応を進める方針である。
