◎10月に鳥インフルが確認されたユタ州、ワシントン州、オレゴン州では約280万羽の養鶏が処分された。
米国でも鳥インフルエンザH5N1型が猛威を振るい、卵の価格を押し上げている。
農務省が22日に公表したレポートによると、鳥インフルは米国内の養鶏業者に影響を与え続けており、2022年以降、全国48州で確認され、先月の卵生産量は昨年同期比で3%近く減少したという。
また同省は24年と25年の食卓用卵の生産予測を下方修正し、それに伴い、価格は上昇するとした。
10月に鳥インフルが確認されたユタ州、ワシントン州、オレゴン州では約280万羽の養鶏が処分された。
その結果、卵の生産量は大幅に減少。農務省は食卓用卵の生産量予測を500万ダースから200万ダース弱に下方修正した。
2023年以降、食卓用卵の生産量は1%減少。2025年上半期の予測も下方修正した。
労働省労働統計局によると、卵1ダースの先月の全国平均価格は3.37ドル(521円)。23年10月は2.07ドル(320円)であった。
鳥インフルは主に野鳥が持ち込むものであり、そのフンや唾液に触れた家禽が感染し、広がる。
ヒトへの感染は稀。感染したニワトリなどを扱う際には徹底した防疫対策が求められる。
H5N1型は近年、犬、猫、アシカ、ホッキョクグマに至るまで、多くの動物から検出されるようになった。
農務省は来年も卵の価格が高止まりすると予想している。
生鮮食品を除く食料品全体の価格は昨年比で1%程度の上昇にとどまってるが、卵だけはこの1年で劇的に値上がりした。
昨年の鳥インフルにおける全米の殺処分数は6000万羽を超えた。