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チーズボール復活、定番パーティー料理を再びクールにする方法

チーズボールは数十年前から米国の集まりや祝祭で親しまれてきたが、近年では一部で「古臭い」と敬遠される傾向もあった。
チーズボールとクラッカー(Getty Images)

チーズボールが再び注目を集めている。かつてパーティー料理の定番として親しまれながら、時代とともに一種の「使い古された定番」と見なされていたチーズボールを、シェフのビビアン・ハワード(Vivian Howard)さんが現代のパーティーシーンにふさわしい一皿として復権させようとしている。ハワードさんは自身の著書『Deep Run Roots』の中で、チーズボールの魅力と、より美味しく、スタイリッシュに仕上げるための方法を紹介している。

ハワードさんはチーズボールを単なる懐かしい料理ではなく、「クリスタルボール」のように人々を引き寄せる存在だと表現している。パーティー会場にチーズボールを置くと、自然と人が集まり、会話が生まれるという。これを成功させるために重要なのは、提供のタイミングや材料の質だとしている。具体的には、食べる少なくとも30分前に室温に戻しておくことで、チーズの風味が十分に引き出され、なめらかな食感になるという。クラッカーはシンプルな塩味のものを選ぶのがよいと勧めている。

ハワードさんのレシピは、複数のチーズを組み合わせることで深い味わいを生み出すのが特徴だ。ベースには高品質なブルーチーズ、クリームチーズ、ヤギ乳チーズ、無塩バターを使用し、刻んだデーツ(ナツメヤシの実)やホットソース、細かく刻んだスカリオン(ネギの一種)を加える。こうした材料をミキサーで混ぜ合わせ、冷やして形を整えた後、塩とバターでローストしたペカンナッツとパセリで外側を覆うことで、食感と風味のアクセントを加える。デーツは砂糖が加えられていない全粒のものを使い、瓶詰めの刻みデーツは避けるべきだとハワードさんは注意を促している。

ペカンナッツのローストにはオーブンを使い、350°F(約177°C)に熱したオーブンで数分間焼く。香ばしくなったナッツに残りの塩を振りかけ、冷ましてからミックスしたチーズにまぶす。この工程により、チーズボールにカリッとした外側の層ができ、濃厚なチーズとのコントラストが生まれる。こうしたひと手間の工夫が、昔ながらのチーズボールを現代風にアップデートする鍵とされている。

ハワードさんはまた、この料理が「冷凍保存や持ち運びにも適している」と指摘している。チーズボールはしっかりと形を整えた後、ラップで包んで冷凍することもでき、パーティーや集まりの前に準備しておくのに便利だという。量を倍にして作ることも勧めており、余った分は後日別の機会に活用できる。

チーズボールは数十年前から米国の集まりや祝祭で親しまれてきたが、近年では一部で「古臭い」と敬遠される傾向もあった。しかし、ハワードさんのレシピと提案は、このクラシックな料理が持つポテンシャルを再評価する機会を提供している。「料理は楽しくあるべき」という彼女の姿勢は、チーズボールを単なる前菜から会話のきっかけとなるパーティーの主役へと変貌させている。

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