◎会社は4年間で38%の賃上げと、職員1人当たり1万2000ドルの一時金(1回限り)を支給すると提案した。
米航空大手ボーイングの組合員が4日、会社の提案を受け入れ、7週間にわたるストライキに終止符を打った。
国際機械工労働組合(IAM)は会社の提案を組合員投票にかけ、その結果、59%が賛成に投じた。
現地メディアによると、機械工ら約3万3000人の一部は6日の第1シフトから仕事に戻る予定。12日までに通常の業務シフトに戻るとみられる。
IAMは10月12日の組合員投票で会社が示した25%の賃上げを拒否。IAMは3年間で40%の賃上げを求めていた。
2回目の組合員投票(4年35%賃上げ)も否決。現地メディアによると、IAM執行部は会社側に一時金の支給を求めたという。
双方はその後も労使交渉を継続。会社は4年間で38%の賃上げと、職員1人当たり1万2000ドルの一時金(1回限り)を支給すると提案した。
組合員はこの提案を受け入れ、ストを終結させた。
この対立は双方の財政を圧迫している。組合員たちはスト3週目から週250ドルの賃金を受け取ってきたが、家族を養える額ではない。
一方、ボーイング社の株価は9月にストが始まって以降、約55億ドル(8370億円)もの価値を失った。同社の株価は今年に入り40%急落したものの、この1ヶ月でわずかに回復した。
ボーイング社は先月初め、今後数カ月以内に総従業員の10%を削減すると明らかにした。同社の従業員数は23年12月時点で約17万人。1万7000人が解雇される予定である。しばらくは難しい舵取りが続きそうだ。