◎23年12月時点の従業員数は約17万人。約1万7000人が解雇されることになる。
米航空大手ボーイングのロゴ(Getty Images)

航空大手ボーイングが11日、今後数カ月以内に総従業員の10%を削減すると明らかにした。現地メディアが速報で報じた。

23年12月時点の従業員数は約17万人。約1万7000人が解雇されることになる。

同社のオルトバーグ(Kelly Ortberg)CEOは従業員に宛てたメッセージの中で、「777Xプログラムは26年まで延期され、767貨物機プログラムは27年に終了し、今期はボーイング・ディフェンス、スペース・アンド・セキュリティにおいて大幅な損失が発生する見込みである」と述べた。

またオルトバーグ氏は「弊社の事業は困難な状況にある」と強調。「現在の環境を乗り切るだけでなく、会社を立て直すためには厳しい決断が必要であり、長期的に競争力を維持し、顧客に利益を提供できるようにするためには、構造改革を行わなければならない」とした。

同社は11日、24年第3四半期(7~9月)の売上高が178億ドル、1株当たり損失は9.97ドル、営業利益は13億ドルになる見込みと発表した。

同社と労働組合「国際機械工労働組合(IAM)」の労使交渉は先月末に決裂。機械工ら約3万3000人によるストは5週目に突入し、主要ジェット機の生産に打撃を与えている。

同社は航空機や部品供給に関する一連の不具合を受け、財務的圧力に直面してきた。

今年1月、アラスカ航空が運航する737MAXのドアが高度1万5000フィート付近で吹き飛び、連邦当局による調査が始まった。

同社の宇宙船「スターライナー」も今年6月に国際宇宙ステーション(ISS)への初の有人打ち上げを行うまでの間、数回の遅延とコスト増に見舞われた。

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