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米ケンタッキー州UPS機墜落事故、死者15人に、調査続く

亡くなったのは地上の会社事務所で働いていた男性。爆発に巻き込まれて重傷を負い、治療を受けていたが、25日に息を引き取ったと報じられている。
2025年11月4日、/米ケンタッキー州ルイビルの空港近く、UPS機が墜落した瞬間(ABCニュース)

ケンタッキー州ルイビルで11月4日に発生したUPS(運送会社ユナイテッド・パーセル・サービス)貨物機の墜落事故について、州政府は25日、病院で治療を受けていた被害者の1人が死亡し、死者数が15人に達したと明らかにした。事故は空港離陸直後に発生した。

亡くなったのは地上の会社事務所で働いていた男性。爆発に巻き込まれて重傷を負い、治療を受けていたが、25日に息を引き取ったと報じられている。

事故を起こしたのはUPSのMD-11型貨物機で、ルイビルを出発しハワイ・ホノルルに向かう予定であった。国家運輸安全委員会(NTSB)の予備報告によると、離陸直後もしくは直前に左エンジンとエンジンを翼に取り付けるパイロンが離脱し、火災が発生。その後、機体は高度30フィート(約9メートル)程度しか上昇できずに墜落し、周囲の倉庫や建物に激突して爆発・炎上した。

NTSBの予備調査では、離脱した左エンジンのパイロン部分に疲労亀裂と過度の応力が見られ、これが分離の要因となった可能性があるという。火災は翼のパイロン付近でも発生しており、地上に落下するまで燃え続けたとされる。

この事故で乗員3人全員と地上の11人が死亡し、地上の23人が負傷した。

事故後、連邦航空局(FAA)はMD-11型機の安全点検を理由に全機の運航を停止。このタイプの機体はUPSのほか、フェデックスやウェスタングローバルなど複数の貨物航空会社が運用しており、今回の事故を受けFAAは対象機の検査を命じた。

今回の事故は地元コミュニティに深い悲しみをもたらしており、ケンタッキー州知事やルイビル市長は犠牲者とその遺族に追悼の意を表した。知事は自身のSNSに「今日、事故により重傷を負った被害者が亡くなった」と投稿し、遺族や関係者への支援を呼びかけた。

NTSBは引き続き事故原因の調査を進めており、最終報告書の公表にはさらに時間がかかる見込みだ。FAAやUPS、および機体に関連する企業が協力して安全対策の強化と再発防止策を検討している。

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