スペインで列車事故相次ぐ、運転士労組がスト計画、信頼揺らぐ中
スペインの鉄道は長年にわたり高い安全性と効率性を誇ってきたが、今回の一連の事故によりその信頼が揺らいでいる。
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スペインで列車事故が相次ぎ、鉄道安全への懸念が高まっている。最初の事故は1月18日、南部アンダルシア州コルドバ近郊で発生。高速列車同士の衝突事故で少なくとも45人が死亡、150人以上が負傷した。この事故は2013年以来最悪の鉄道災害となり、国内外に衝撃を与えた。マラガ発マドリード行きの高速列車が脱線した後、対向列車と正面衝突したと報告されている。脱線と衝突は直線区間で起き、両列車とも制限速度内で走行していたとされる。鉄道事故調査委員会(CIAF)は線路でひび割れが確認されたと報告。調査を続けている。
事故後、遺体や負傷者の捜索・救助が続き、政府は国を挙げて3日間喪に服すと宣言した。現場の地形や損壊した車両の状況が捜索活動を複雑にしたと報じられている。多数の負傷者が病院に搬送され、うち複数は重傷で治療を受けている。
この事故から2日後、北東部カタルーニャ州バルセロナ近郊で通勤列車が線路上に落下した擁壁と衝突し 運転士1人が死亡、37人が負傷する脱線事故が発生した。この事故は豪雨による擁壁崩壊が原因とみられている。
さらに22日には南東部カルタヘナ近郊で走行中の列車が線路に進入したクレーン車と接触し、乗客数人が負傷する事故も起きた。この事故では列車の窓ガラスが割れるなどの被害が出ているが、死者は出なかった。
これら一連の事故を受け、スペインの鉄道運転士らを代表するSEMAF(スペイン鉄道運転士組合) は鉄道安全策の強化を求めて全国的なストライキを計画していると明らかにした。労組は鉄道インフラの保守や検査体制が不十分であり、過去の警告が十分に反映されていなかったと主張している。ストは2月初旬に予定され、政府に対して投資や管理責任の明確化を要求する見込みだ。
政府はこれらの事故が関連しているか否かについて調査を進めているが、当局は現時点ではそれぞれの事故は独立した事象である可能性が高いと示唆している。しかし、高速鉄道網では近年乗客数が増加する一方で、インフラの老朽化や気候変動による影響などが指摘されており、鉄道安全の確保が大きな課題となっている。専門家は国家レベルでのインフラ投資や厳格な検査体制の強化が不可欠だと強調している。
スペインの鉄道は長年にわたり高い安全性と効率性を誇ってきたが、今回の一連の事故によりその信頼が揺らいでいる。鉄道当局は引き続き原因究明と再発防止策の策定に努めるとしており、国民の不安を払拭するための取り組みが求められている。
