米英の「特別な関係」に亀裂?イラン紛争めぐりトランプ氏が批判展開
対立の発端は米国とイスラエルがイランに対して大規模な空爆を開始したことにある。
とイギリスのスターマー首相(AP通信).jpg)
米英首脳の間で、イランとの戦争をめぐる意見対立が深刻化し、これまで「特別な関係」として知られた両国の信頼関係が大きく揺らいでいる。トランプ(Donald Trump)米大統領は3日、スターマー(Keir Starmer)英首相が米イスラエルによるイランへの軍事作戦への関与を拒んだことについて強い不満を示し、「イギリスとの関係に亀裂が生じている」と述べた。トランプ氏は英紙のインタビューで「かつて最も堅固だった関係はもはやそうではないようだ」と語り、フランスやドイツとの関係の方が良好だと強調した。
対立の発端は米国とイスラエルがイランに対して大規模な空爆を開始したことにある。トランプ政権はこの地域にある英軍基地の使用を要請したが、スターマー氏は当初これを拒否していた。スターマー氏は議会下院での演説で、「我々は空からの政権転覆を望んでいない」と述べ、この軍事作戦に加わらない姿勢を明確にした。
英国領の基地使用については、イランの弾道ミサイルやミサイル格納施設を標的とする防御的な攻撃に限定して許可するとしたが、全面的な参加は拒んでいる。こうした判断に対し、トランプ氏は「助けになっていない」と痛烈に批判した。
スターマー氏は関与の判断について、国益と国際法に基づくもので、「違法な軍事行動」には参加しないという立場を強調している。スターマー氏は議会演説の中で、「いかなるイギリスの行動も、常に法的根拠と十分な計画を伴わなければならない」と述べ、米国の初期攻撃には参加しない理由を説明した。多数のイギリス国民が戦争の正当性に疑問を持っているという世論調査もこの判断を支持する根拠として挙げられている。
この対立は、二国間関係における長年の摩擦を表面化させるものでもある。トランプ氏は過去にもイギリスがデンマーク自治領グリーンランドの取得提案を拒否したことや英領チャゴス諸島の取り扱いを巡って不満を示し、スターマー政権はこれらの事案に対して批判的な立場を取ってきた。トランプ氏はこれらを絡めてイギリスの外交姿勢を批判し、「過去のような協力関係ではなくなった」と強調した。
欧州首脳の反応は一様ではない。EU加盟国の首脳の中には、米国の軍事行動を支持する声もあれば、スペイン首相のように「容認できない」と非難する者もいる。NATOの幹部は今回の行動を地域安全保障の観点から支持するとの見解を示しており、意見が分かれている。
イギリス国内では、スターマー氏の対応を支持する意見と批判する意見が混在する。保守派の指導者らは米側への協力不足を批判し、トランプ氏の姿勢を支持している。一方でスターマー氏を支持する勢力は、イギリスの独立した外交判断を擁護し、国益を優先すべきだと主張している。
外交筋は今回の対立が両国関係の根幹を覆すものではないとしつつも、トランプ政権の強硬な外交政策とスターマー政権の法的・国益重視の姿勢の違いが、今後の米英関係に影響を及ぼし得ると指摘している。両国がどのように歴史的な関係を維持・再構築していくかが引き続き注目される。
