イギリス首相がトランプ氏と電話会談、中東情勢・ホルムズ海峡を協議
ホルムズ海峡の混乱は世界経済にも大きな影響を及ぼしている。
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イギリスのスターマー(Keir Starmer)首相は15日、トランプ(Donald Trump)米大統領と電話会談を行い、中東の要衝ホルムズ海峡の航行再開の重要性について協議した。イギリス首相府によると、両首脳は中東情勢の緊迫化と海上輸送の混乱をめぐって意見を交換し、世界の物流やエネルギー市場への影響を抑えるため、ホルムズ海峡を再び安全に航行できる状態に戻す必要性を確認した。
ホルムズ海峡はペルシャ湾とインド洋を結ぶ海上交通の要衝で、世界の石油輸送量の2割が通過する。2026年2月末に米イスラエルがイランを攻撃したことを契機に地域情勢が急激に悪化し、イランは報復措置として海峡周辺で船舶への攻撃や通航警告を行った。これにより多くのタンカーや商船が航行を停止し、事実上の封鎖状態となっている。
イギリス首相府の報道官は声明で、両首脳が「世界的な輸送混乱を終わらせるため、ホルムズ海峡を再開させることの重要性」について話し合ったと説明した。またスターマー氏は紛争で死亡した米兵への弔意も伝えたという。両首脳は今後も緊密に連絡を取り合うことで一致した。
一方、トランプ氏は海峡の安全確保のため、イギリスを含む同盟国に軍艦の派遣など軍事的関与を求めている。米国は国際的な海上護衛体制の構築を検討しており、各国が協力して商船を護衛する枠組みの創設を提案した形だ。欧州やアジアの多くの国が中東産原油に依存していることから、米国は「エネルギーを利用する国々が安全確保にも責任を負うべきだ」と主張している。
ただ、イギリス政府は現時点で軍艦の派遣には慎重姿勢を示している。軍事的関与が紛争をさらに拡大させる可能性があるとの懸念があるためだ。その代替策として、機雷除去用のドローンや監視技術の投入など、限定的な支援策が検討されていると報じられている。
ホルムズ海峡の混乱は世界経済にも大きな影響を及ぼしている。石油供給への懸念から原油価格が急騰し、各国でエネルギー価格や物流コストの上昇が続いている。船舶の航行停止によって多くのタンカーが海峡外で待機する状況となり、国際海運の停滞が長期化する可能性も指摘されている。
イギリス政府は外交的解決を重視する姿勢を示しており、スターマー氏はこれまで「地域の安定には交渉による解決が不可欠だ」と強調してきた。今回の首脳会談でも海峡の安全確保と同時に緊張緩和を図る必要性が議論されたとみられる。
中東情勢が緊迫する中、世界のエネルギー供給を左右するホルムズ海峡の安全確保は国際社会にとって喫緊の課題となっている。イギリスが今後どの程度関与するのか、また各国が協調して航行の安全を回復できるのかが注目されている。
