◎内務省によると、1月1日~3月15日の間に船でスペインに到着した移民は1万4405人。昨年同期の3528人を大幅に上回った。
2022年6月24日/スペイン領メリリャ、入国に成功した亡命希望者(Javier Bernardo/AP通信)

スペイン議会は9日、適切な書類を持たない不法移民数十万人に居住許可と労働許可を与える法案を検討することで合意した。

この法案は70万人以上の署名と権利団体やカトリック教会など、約900の団体が賛同し、下院議会に提出した提案に基づいている。

下院は賛成310ー反対33で法案の審議開始を承認。国営テレビによると、極右政党ボックス(VOX)のみが反対票を投じたという。

下院は今後、数カ月かけて法案を審議・修正する。

本法案は2021年11月1日以前にスペイン(海外領含む)に到着した移民に法的地位を与えるものであり、ベネズエラやアフリカの移民など数十万人が対象となる予定。

成立すれば、移民たちは合法的にスペインにとどまり、働くことができるようになるだけでなく、税金を納め、社会保障に貢献し、医療、教育、その他公共サービスを利用できるようになる。

中央政府の統計によると、スペイン国内で生活する旅券やビザを持たない移民は39万~47万人と推定されている。その多くが非正規労働者として、果物を売ったり、運送会社で働いたりしている。

移民たちは法的な保護がないため、搾取や虐待被害に遭いやすい。

本法案は移民の権利を拡充し、生存権を含む基本的人権を保障することを目的としている。

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