◎法案が成立すれば、人身売買の被害者を専門に扱う警察の専門機関も新設される。
スペイン政府は29日、国際的な人身売買組織を取り締まり、経済的に弱い立場の人々の保護を目的とする法案を議会に提出した。
政府報道官によると、この法案は性的搾取、強制労働、臓器の売買、強制結婚、その他の犯罪行為を含む様々な種類の人身売買の被害者を救済するという。
また、裁判所に被害者であると認定された個人は個別の無料法律支援を受けることができ、さらに経済支援や住居の確保を求めることができるようになる。
法案が成立すれば、人身売買の被害者を専門に扱う警察の専門機関も新設される。
内務省によると、警察は昨年、1000人以上を人身売買組織から解放したという。被害者の大部分はコロンビア、パラグアイ、ルーマニア、ベネズエラ出身の女性であり、性的搾取の被害者であった。また警察はルーマニア国籍の少女2人を強制結婚から解放した。
法案は被害者または被害者であると疑われる個人に対し、人身売買に関与したとされる人物を告発できる権利を与える。
政府報道官は声明で、「最も弱い立場の人々の保護ほど重要なものはない」と述べている。
サンチェス(Pedro Sanchez)首相と連立を組む左派政党の一部議員はこの法案を「不十分」と批判している。
左派政党は被害者と疑われる全ての人に合法的な住まいと労働許可を与えるよう求めている。
サンチェス政権はトランスジェンダーの権利に関する法案でも意見の相違がみられ、議会への提出が遅れている。