◎3つの違法タバコ工場を運営するギャングはウクライナの避難民を劣悪な環境下で働かせていた。
欧州警察機構が公開した写真、偽タバコの密売に関与したギャングとスペイン警察(Europol)

スペインの警察当局は22日、違法タバコの製造と密売に関与したとされるギャングを取り締まり、27人を逮捕したと発表した。

当局によると、3つの違法タバコ工場を運営するギャングはウクライナの避難民を劣悪な環境下で働かせていたという。

ギャングは少なくとも3つの地域に拠点を置いていた。

スペイン警察は欧州警察機関(ユーロポール)の協力を得て捜査・取り締まりを行った。

当局によると、ギャングは偽タバコを製造・密輸していたという。

工場ではタバコの箱が毎日50万個以上作られ、スペイン全土と海外に密輸・販売していたとされる。

当局によると、ロシアの侵略から逃れたウクライナの避難民たちは工場内の不衛生なプレハブ小屋に押し込められ生活していたという。

ウクライナ以外の難民も長時間労働を強いられていた。その中には不法入国した者もおり、摘発を避けるために外出を控えていたようだ。

スペイン国営テレビは警察関係者の話を引用し、「ギャングのリーダーはタバコの密輸だけでなく資金洗浄(マネーロンダリング)にも関与している可能性がある」と報じた。

当局とユーロポールは捜査の過程で3750万ユーロ(約41億円)相当のタバコ製品、高級車、宝石類、現金などを押収した。さらに20軒以上の家屋、工場、店舗が捜査対象となり、閉鎖された。

当局によると、このギャングの工場は2021年末に初めて摘発され、今回の逮捕劇につながったという。

ギャングはマリファナ農園を造り、違法薬物の密売にも乗り出す準備を進めていたようだ。

国連によると、昨年2月のロシアの侵攻開始以来、800万人近くのウクライナ難民が近隣諸国にとどまり、スペインでは16万人以上が避難生活を余儀なくされている。

欧州議会は昨年11月、ウクライナ人の労働搾取が増加していると報告。多くの避難民が低賃金で長時間労働を強いられていると警告した。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク