◎緊急着陸したのはウラル航空のエアバスA320型機。黒海のリゾート地ソチからシベリアの都市オムスクに向かう途中、油圧系統に不具合が発生した。
2023年9月12日/ロシア、シベリア連邦管区ノボシビルスク州郊外、野原に緊急着陸したウラル航空のエアバスA320型機(Ministry of Emergency Situations press service)

ロシア・シベリア連邦管区ノボシビルスク州郊外の野原に乗客乗員167人を乗せた旅客機が緊急着陸した。地元当局が12日、明らかにした。

それによると、緊急着陸したのはウラル航空のエアバスA320型機。黒海のリゾート地ソチからシベリアの都市オムスクに向かう途中、油圧系統に不具合が発生したという。

ロシア連邦航空局は声明で、「同機はモスクワ時間午前5時44分に緊急着陸を成功させた」と述べている。

ウラル航空によると、機長はノボシビルスク州の空港に緊急着陸を要請したものの、燃料が足りないと判断し、野原への着陸を決断したという。

国営テレビは関係者の話しとして、「乗客2人が高血圧のため医療支援を必要とし、数人が打撲の手当てを受けた」と伝えている。

また国営テレビは野原に着陸した機体と地上で対応に当たる客室乗務員の姿も報じた。

ロシア連邦捜査委員会は航空安全規則違反で捜査を開始したとしている。

西側のメディアはウクライナ侵攻による西側諸国の制裁が旅客機の整備不良を招いたと指摘。しかし、ロシアの国営メディアは「点検不足や人為的ミスが今回の事故を招いた」と断言した。

西側の制裁により、ロシアの航空会社はエアバスを含む西側で製造された旅客機の部品を輸入できなくなった。ウラル航空の責任者は「保有機の安全性は維持できている」と主張している。

2019年にはウラル航空のエアバスA321型機が離陸時に鳥と衝突した後、モスクワ近郊の野原に緊急着陸。乗客乗員233人のうち74人が負傷した。

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