◎アルメニア兵約200人と米兵約100人は11日から平和維持活動に重点を置いた軍事演習を開始する予定だ。
ロシア外務省は8日、駐アルメニア大使を召還し、米軍との合同軍事演習が行われることなどに抗議した。
同省は声明で「アルメニアのパシニャン(Nikol Pashinyan)首相はここ数日、非友好的な行動を取っている」と述べ、▽アルメニア国内における米軍との合同軍事演習▽ウクライナへの人道支援▽国際刑事裁判所に関するローマ規程への批准示唆などを例に挙げた。
また同省はアルメニアの議会議長が同省のザハロワ(Maria Zakharova)報道官を侮辱する発言をしたことにも苦言を呈した。
アルメニア兵約200人と米兵約100人は11日から平和維持活動に重点を置いた軍事演習を開始する予定だ。
アルメニアは旧ソ連構成国で、領内にロシアの軍事基地があり、旧ソ連圏の集団安全保障条約機構(CSTO)に参加するなど、独立以降もロシアとの緊密な関係を維持してきた。
しかし、係争地ナゴルノカラバフをめぐる2020年のアゼルバイジャンとの戦争以来、両国の関係は急速に冷え込んでいる。
ナゴルノカラバフはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける分離主義勢力の管理下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。
2020年の紛争では両軍合わせて6000人以上が死亡、数千人が負傷したと報告されている。
両国は2020年11月、ロシアの仲介で停戦に合意した。アゼルは主要都市シュシャを含むナゴルノカラバフの大部分を奪還。アルメニア人は土地を追われ、ロシアに怒りをぶつけた。
ロシアは休戦協定に基づき、アルメニアからナゴルノカラバフに通じる道路の通行を確保するため、この地域に平和維持軍を展開している。
しかし、アゼルは昨年12月下旬以来、ラチン回廊と呼ばれるその道路を封鎖しており、アルメニアはロシアの平和維持軍が開通のために何もしていないと繰り返し訴えている。この道路封鎖により、ナゴルノカラバフでは食料が不足している。
アルメニアは今年、自国領内でのCSTO演習を拒否し、ベラルーシで行われた演習にも参加しなかった。