ロシアで「テレグラム規制」への不満高まる、抗議デモも
問題となっているのは、国内で広く利用されている通信アプリ「テレグラム」に対する規制強化である。
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ロシアで人気メッセージアプリの利用制限を巡る抗議デモが各地で計画されたものの、当局による徹底した取り締まりにより大規模なデモには発展しなかった。一方で、市民や一部の支持層の間では不満がくすぶり続けており、政府によるインターネット統制への反発は根強い。
問題となっているのは、国内で広く利用されている通信アプリ「テレグラム」に対する規制強化である。ロシア当局は同アプリが違法情報や過激思想の拡散に使われていると主張し、接続制限や機能の遮断を進めている。だがテレグラムは国内利用率が非常に高く、一般市民のみならず政府機関や軍も情報伝達手段として利用しているため、規制は社会全体に大きな影響を及ぼしている。
こうした状況に抗議する動きが各地で起きたが、当局は様々な理由を挙げて集会を事前に封じ込めた。公園の整備や除雪作業、さらには衛生上の規制などを口実に許可が下りず、実際の抗議活動は小規模にとどまった。ロシアではウクライナ侵攻が始まって以降、反政府的な集会への取り締まりが強化され、無許可のデモに参加すれば拘束される可能性が高い。
それでも不満は広範に存在している。特筆すべきは反体制派だけでなく、政府寄りのナショナリストや共産主義者など多様な立場の人々が規制に批判的な点である。テレグラムはニュースや議論の場としても機能しており、規制は言論の自由を損なうとの懸念が共有されている。また、兵士や軍関係者にとっても重要な通信手段であるため、現場の混乱を招くとの指摘も出ている。
政府は一方で、国産の代替アプリの普及を進めている。監視機能を備えたとされる「MAX」などが推奨されているが、利用者の間ではプライバシーへの不安が強く、移行は進んでいない。このため、多くの市民がVPNを利用して規制を回避しようとするなど、当局と利用者の間で「いたちごっこ」の様相を呈している。
近年のロシアでは、外国製SNSや通信サービスの遮断が相次ぎ、「主権インターネット」と呼ばれる国家主導の情報空間の構築が進められている。専門家は、今回の動きもその一環で、政府が国内の情報流通をより厳格に管理しようとしていると指摘する。
現時点で大規模な抗議は抑え込まれているものの、法的手段で規制に異議を申し立てる動きも見られる。多くは却下されているが、活動家らは小規模な抵抗を続ける姿勢を崩していない。強権的な統制の下でも、市民の不満と自由な通信を求める声は消えておらず、今後の社会的緊張の火種となる可能性がある。
