◎ウラジーミル・プーチン大統領は学生とのオンライン会議の中で物議を醸している神秘的な宮殿は「私のものではない」と主張した。
◎EUの外相は1月25日に開催された理事会でプーチン大統領を非難したが、ロシアに対する新たな制裁は検討されなかった。
1月25日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は学生とのオンライン会議の中で物議を醸している神秘的な宮殿は「私のものではない」と主張した。
「プーチンの宮殿」と呼ばれている神秘的な宮殿は、逮捕された野党指導者、アレクセイ・ナワルニー氏と支援団体がYouTubeにアップロードした動画の中で紹介されている。
支援団体によると、プーチンの宮殿の整備費用は13億5,000万ドル(1,400億円)ほどで、資金提供者はロシアの石油大手ロスネフチのイゴール・セチン氏や、億万長者のゲンナジー・ティムチェンコ氏を含むプーチン大統領の友人たちだという。そこには、カジノ、スケートリンク、ブドウ園などがあると考えられている。
ナワルニー氏の逮捕に抗議する野党同盟と支持者は23日に大規模な抗議集会を決行した。国内の逮捕者を監視するOVD-Infoによると、3,700人以上が逮捕されたという。
プーチン大統領は学生たちに、「宮殿のビデオはCGで作られたものです」と笑顔で語った。
ウラジーミル・プーチン大統領:
「彼らは私の財産と主張していますが、宮殿は私のものでも、私の近親者のものでもありません。国家元首は嫌われるものです。彼らは私を嘲笑し喜んでいるのでしょう」
「私はビデオを数秒見ました。しかし、私は仕事でとても忙く、すべてを見る時間はありませんでした。皆さんもビデオではなく本を読み、勉強してください」
ロイター通信によると、プーチン大統領は会議の中で、未成年者は連邦法を犯すナワルニー派の集会に参加してはならず、警察は今後も法律の範囲内で行動すると述べたという。
一方、EUの外相は1月25日に開催された理事会でプーチン大統領を非難したが、ロシアに対する新たな制裁は検討されなかった。
EUの外交政策責任者を務めるジョセップ・ボレル氏は会議後の声明で、「理事会は23日の大量拘禁および警察の残虐行為を強く非難する。ロシアは逮捕されたナワルニー氏と市民を速やかに解放しなければならない」と述べた。
ボレル氏は記者から「新たな制裁について話し合ったか?」と質問され、「具体的な提案はなかったが、状況に応じては行動する準備ができている」と答えた。
EUは昨年10月にナワルニー氏に対する神経ガス攻撃でロシアの当局者6人と州の研究機関に制裁を課している。
ジョセップ・ボレル氏:
「来週、モスクワでセルゲイ・ラブロフ外相と会談する。ナワルニー氏の問題などを議論するよい機会であり、3月のEUサミットに何かしらの影響を与えるだろう」
フランスのジャン=イヴ・ル・ドリアン外相も地元メディアの取材に対し、「ナワルニー氏の毒殺未遂の全てを明らかにしなければならない」とロシアの対応を非難した。
在露米国大使館のレベッカ・ロス報道官はツイッターに、「アメリカは全市民に与えられた平和的な抗議、表現の自由の権利を支持する。ロシア当局は市民の権利を力でねじ伏せた」と投稿した。
米国務省もナワルニー氏の釈放を求める声明を発表したが、ロシアは内政干渉と非難し要求を却下している。
宮殿の紹介動画