フランス大統領、15歳未満のSNS禁止を推進、法案審議へ
フランスの保健当局によると、12〜17歳の子どもの約90%が日常的にスマートフォンでインターネットにアクセスし、そのうち58%がソーシャルメディアを利用しているという。
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フランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領が15歳未満の子どもによるソーシャルメディア利用を禁止する法案の成立を急ぐ方針を表明した。マクロン氏は先週、内閣に対し、法案を可能な限り迅速に審議し、2026年9月の新学期開始時に施行されるよう、議会の手続きを加速するよう指示した。この発言は地元テレビ局が公開した動画で明らかになり、同法案は法制度上の特別な「迅速手続き」で進められる見込みである。
マクロン氏は動画の中で、「子どもや若者の脳は売り物ではなく、感情も操作されるべきではない」と強調し、ソーシャルメディア大手による未成年への影響を問題視していると述べた。さらに、15歳未満のソーシャルメディア利用禁止に加えて、高校生を対象にした携帯電話の校内利用禁止も進める考えを示した。これにより、家庭や教育現場における規則が明確になるとの狙いがあるという。
法案を提出したのは与党議員で、近く上院での審議に付される予定である。マクロン氏は政府や議会に対し、慎重な議論を促すとともに、子どもの安全と健康を守る法整備を優先させる姿勢を示した。
この動きはソーシャルメディア利用が子どもや若者の心身に悪影響を与えているとの懸念を背景としている。フランスの保健当局によると、12〜17歳の子どもの約90%が日常的にスマートフォンでインターネットにアクセスし、そのうち58%がソーシャルメディアを利用しているという。また、多くの若者が1日に2〜5時間をスマートフォンに費やし、自尊感情の低下や自傷行為、薬物使用、さらには自殺傾向との関連が指摘されるケースもあるとして、危険性が指摘されている。複数のフランスの家族が、若者の自殺と有害コンテンツを結びつけてティックトックに対して訴訟を起こしていることも、こうした議論の背景となっている。
オーストラリアは既に16歳未満に対するソーシャルメディア利用禁止法を施行している。この措置により、同国では約470万件の未成年アカウントが削除され、フランス国内でも同様の法規制に注目が集まっている。イギリスなど他の欧州諸国も未成年のオンライン安全に関する規制強化を検討しており、フランスの動きは広範な国際的検討の一環ともいえる。
一方で、規制強化に対しては自由な情報アクセスとの兼ね合いや、技術的な年齢確認の実効性を巡る議論も存在する。法案成立後の実装や子どもに対する適切な教育策のあり方など、今後も多方面での議論が続く見込みである。
