◎両国の兵士はキルギス南西部コクタシュ村の近くにある水道施設周辺で銃撃を交わし、周辺住民7,000人以上が避難を余儀なくされた。
現地メディアによると、キルギスとタジキスタンの国境付近で発生した紛争は4月30日の停戦協定で終結したが、一部地域では散発的な暴力が続いたという。
両国は5月1日に停戦合意に達し、2日に首脳級の会談を開催したと伝えられているが、詳細は明らかにされていない。
紛争は4月29日に発生した。両国の兵士はキルギス南西部コクタシュ村の近くにある水道施設周辺で銃撃を交わし、周辺住民7,000人以上が避難を余儀なくされた。
キルギスとタジキスタンは30年近くに渡って国境付近の水資源を争い続けてきた。ソビエト時代、両国の市民は自由に国境を行き来できたため、問題が発生したことはなかった。しかし、ソビエト崩壊で曲がりくねった複雑な国境が確立され、暴力に発展した。
キルギス緊急事態省は2日の声明で、「民家、学校、商店、国境検問所、警察署を含む100以上の施設が破壊された」と述べた。
ロシアのインテルファクス通信社によると、キルギスの死亡者数は30人を超え、少なくとも154人が負傷したという。両国の衝突でこの規模の死傷者が出たのは1991年の独立以来初めて。
一方、タジキスタンのイスファラ市の地方当局者は地元メディアの取材に対し、8人が死亡し、30人以上が負傷したと述べた。
キルギスのサディル・ジャパロフ大統領の報道官は30日の声明で、「タジキスタンのエモマリ・ラフモン大統領と国境の紛争を速やかに終結させる措置について電話で協議した」と述べた。
キルギスとタジキスタンの約1,000kmにわたる国境の大部分は確立しておらず、両国の代表団は近年数回会談を開催したが、領土と資源争いを終わらせることはできなかった。
現地メディアによると、キルギスの住民はタジキスタンの当局者がコクタシュ村の水道施設に監視カメラを設置したことに激しく反発したという。その後、両国の住民は石を投げつけ合い、兵士が争いに介入した。
ロシアの外務省は30日の声明で両国の紛争に懸念を表明し、永続的な和解に向けた交渉を開始するよう促した。キルギスとタジキスタンは独立国家共同体(CIS)の加盟国である。
EUは両国の停戦合意を歓迎し、平和的な解決策の必要性を強調した。EUのピーター・スタノ報道官は声明で、「両国は新たな紛争を回避するための措置を講じなければならない」と述べた。「EUは必要であれば、国境紛争と水資源の管理に関する技術支援および政治的支援を提供します」