◎国営テレビが報じた映像には迷彩服を着た3～5人がコンサートホール内の観客に向けて銃を撃つ様子が映っていた。
ロシア・モスクワ郊外の複合施設クロッカスシティホール内にあるコンサートホールで正体不明の武装集団が銃を乱射した事件について、イスラム国（ISIS）が犯行声明を出した。ロシアメディアが23日に報じた。
連邦保安局（FSB）はこれをテロ攻撃と呼び、現場に要員を派遣。対応に当たっている。
国営テレビによると、この攻撃で市民少なくとも40人が死亡、140人以上が負傷したという。
クロッカスシティホールは炎に包まれ、消火活動が続いている。武装集団が逮捕されたという情報はなく、FSBが対応に当たっているものとみられる。
国営テレビによると、ISISを支持するスンニ派のアマーク（Aamaq）通信が22日遅くに犯行声明を掲載。「聖戦士がロシア・モスクワにあるキリスト教徒のための大きな集まりを攻撃し、数百人を殺傷、施設に大打撃を与えた」と主張したという。
ロシア大統領府はこの主張に関するコメントを出していない。
ウクライナ大統領府は22日、X（旧ツイッター）に声明を投稿。攻撃への関与を否定した。
一部のロシアユーザーは迷彩服を着たウクライナ兵が銃を乱射したとテレグラムなどに投稿しているが、真偽は不明である。
米ホワイトハウスのカービー（John Kirby）戦略広報調整官は22日の記者会見で、「この事件を把握しているが、手元には限られた情報しかなく、情報収集を進めている」と語った。
またカービー氏は犠牲者に哀悼の意を表したうえで、モスクワ在住の米国民に対し、このようなイベントへの参加を控えるよう改めて要請した。
在ロシア・米国大使館も声明を発表。犠牲者に哀悼の意を表した。
国営テレビが報じた映像には迷彩服を着た3～5人がコンサートホール内の観客に向けて銃を撃つ様子が映っていた。
武装集団は22日の現地時間20時頃、人気バンド「ピクニック」のコンサート中に突然発砲したとされる。
在ロシア・米国大使館は今月7日、過激派がモスクワの集会などを標的にする可能性があるとして、米国民に対し、今後48時間は人が大勢集まる場所に近づかないよう勧告していた。
