ハンガリー次期首相、ロシアとの対話に前向き、ウクライナ侵攻終結働きかけへ
マジャル氏は選挙後の記者会見で、「もしプーチン大統領から電話があれば応じる」と述べたうえで、対話の機会があれば「殺戮を終わらせ、戦争を終結させるべきだと伝える」と語った。
のマジャル党首(AP通信).jpg)
ハンガリーの議会選挙(一院制、定数199)を制した野党TISZA(尊敬と自由)のマジャル(Péter Magyar)党首は13日、ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領と対話する可能性に言及し、ウクライナ侵攻の終結を直接働きかける意向を示した。16年間政権を担ってきたオルバン(Viktor Orbán)首相の敗北により、同国の対ロシア姿勢が転換する可能性に注目が集まっている。
マジャル氏は選挙後の記者会見で、「もしプーチン大統領から電話があれば応じる」と述べたうえで、対話の機会があれば「殺戮を終わらせ、戦争を終結させるべきだと伝える」と語った。ただし、自らが助言しても戦争が終わる可能性は低いとの認識も示し、実効性には慎重な見方を示している。
今回の発言はこれまでロシアに融和的な姿勢を取ってきたオルバン政権との違いを際立たせるものと受け止められている。オルバン氏は欧州連合(EU)内で対ロシア制裁やウクライナ支援に慎重な立場を取り、しばしばEUの結束を揺るがしてきた。一方、マジャル氏はEUや北大西洋条約機構(NATO)との関係強化を掲げ、外交路線の修正が期待されている。
選挙ではマジャル氏率いるTISZAが圧勝し、3分の2を上回る議席を確保した。これにより憲法改正を含む大規模な制度改革が可能となり、16年続いたオルバン体制の終焉を象徴する結果となった。国内では汚職対策や法の支配の回復、メディアの自由確保などを掲げ、民主主義の再建を目指すとしている。
外交面ではロシアを安全保障上のリスクと位置づけつつも、現実的な関係維持の必要性も示唆している。ウクライナについては侵略の被害国であると明言しつつ、同国のEU加盟については慎重姿勢を崩しておらず、国内世論を踏まえた対応を取る方針だ。
EU内ではマジャル氏の勝利を歓迎する声が広がっている。オルバン政権下で滞っていた対ウクライナ支援や政策協調が進むとの期待があり、凍結されているEU資金の解放にもつながる可能性があるとみられている。
一方で、マジャル新政権には課題も多い。オルバン政権時代に任命された官僚や司法関係者が影響力を維持し、改革の実行には制度的な障壁が存在する。また、ロシアとの関係見直しはエネルギー政策にも影響を及ぼす可能性が高く、経済的リスクも伴う。
今回の発言は象徴的な意味合いが強いものの、ハンガリーがこれまでの親ロシア的立場から距離を取り、欧州の対ロシア戦略に歩調を合わせる転機となる可能性がある。マジャル氏の外交手腕と国内改革の進展が、今後の欧州政治に与える影響は大きいとみられる。
