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ギリシャ、15歳未満のソーシャルメディア利用禁止へ、2027年から


この禁止措置の対象はフェイスブックやインスタグラム、X(旧ツイッター)、ティックトック、スナップチャットなどの主要なソーシャルメディアプラットフォームで、15歳未満が対象となる見込みだ。
スマートフォンを操作する小学生(Getty Images)

ギリシャ政府は8日、2027年1月1日から15歳未満のソーシャルメディア利用を禁止する方針を正式に発表した。国民のデジタル・ウェルビーイング(健康的なデジタル利用)を守ることを目的とするこの規制は、欧州で同様の動きが広がる中での先駆的な措置となる。

ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相はビデオメッセージで、子どもたちがソーシャルメディアの比較文化やコメント文化によって不安感を抱き、長時間画面を見続けることで睡眠障害を経験していると指摘した。また、プラットフォーム側が注意を引き付ける設計をしていることで「依存的な利用」が広がっているとの認識を示し、こうした環境から若年層を守る必要性を訴えた。

この禁止措置の対象はフェイスブックやインスタグラム、X(旧ツイッター)、ティックトック、スナップチャットなどの主要なソーシャルメディアプラットフォームで、15歳未満が対象となる見込みだ。現地報道では年齢確認の仕組みやアクセス制限の技術的な実装方法についても議論が進んでいる。

ギリシャではすでに学校内での携帯電話使用を禁止し、保護者が子どものスクリーンタイムを管理できるようなツールを導入するなど、デジタル依存対策が進められてきた。世論調査では成人の約80%がこうしたソーシャルメディア利用制限に賛成し、政策には国民の支持があることが示されている。

一方で、ソーシャルメディア企業は一律の禁止措置が必ずしも効果的ではないとの立場を示している。執行や年齢確認の実効性、孤立感の増加などの懸念から、技術的および法的な課題が残るとの指摘もある。専門家の中には、単純な利用禁止よりも利用教育や保護者の関与強化の方が有効との意見もある。

ギリシャの取り組みは世界的な流れの一部と位置づけられる。オーストラリアは2025年末に16歳未満を対象にソーシャルメディア利用を制限する法律を施行しているほか、イギリスやフランス、デンマーク、スペインなどでも類似の規制強化が検討されている。

ミツォタキス政権はこの禁止措置を2026年中に議会で法制化する予定、国内だけでなく欧州連合(EU)全体での共通の年齢制限や年齢認証フレームワークの整備を求めている。ミツォタキス氏はこの問題をEUレベルでも議論すべきだと訴え、統一的なアプローチが各国の取り組みの実効性を高めるとの考えを示した。

ギリシャの政策転換はデジタル社会における未成年の健全な育成とリスク管理をめぐる国際的な議論の焦点となる可能性が高い。技術の進展と若者のオンライン環境の変化が急速な中で、立法と実務の両面にわたる対応が今後の課題となる。

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