ドイツ首相、子どものSNS制限を支持、与党内で検討加速
専門家の中には、単なるアクセス制限だけではなく、年齢確認システムの強化やアルゴリズムによる推薦機能の制限、デジタル・リテラシー教育の推進など、多面的な対策が必要だとの指摘もある。
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ドイツのメルツ(Friedrich Merz)首相は18日、子どものソーシャルメディア利用を制限する必要性について支持を表明し、同国で今後検討が進む可能性のある規制強化論議に加わった。メルツ氏は偽情報や生成AIコンテンツの拡散など、ソーシャルプラットフォームが若年層に与える影響を深刻に受け止めるべきだと訴えた。
メルツ氏はキリスト教民主同盟(CDU)の年次大会を前にした演説で、「人工的に生成された偽情報や誤った映像がソーシャルメディアを通じて広まり、社会の内外から若者や子どもたちが危険にさらされることを許すのか」と問いかけた。また、ドイツでは14歳の子どもが1日平均5時間以上オンラインに費やしていると指摘し、デジタル空間における子どもの保護の必要性を強調した。
この演説を受け、CDU党大会ではティックトック(TikTok)やインスタグラム(Instagram)X(旧ツイッター)など主要プラットフォームについて、16歳未満のアクセスを禁止する動議が議論される予定である。同様の制限はメルツ氏の連立パートナーである社会民主党(SPD)からも支持が出ており、議論は与党内で幅広く共有されつつある。
メルツ氏は「私は以前、アルゴリズムやAIの影響力を軽視していた」と述べ、「2年前なら異なる考えを示していたかもしれない」と語った。だが近年のデジタルプラットフォームの進化とその影響に直面し、規制強化の必要性を認識するに至ったと説明した。さらに、子どもにソーシャルメディアを徐々に慣れさせるべきだという意見を否定し、これを「6歳児にアルコールを教えるようなもの」と批判した。
こうした動きは政党内の議論にとどまらず、国際的な潮流とも一致している。昨年末、オーストラリアが16歳未満の子どもに対してソーシャルメディアアクセスを禁止する法律を施行したほか、スペイン、ギリシャ、フランス、イギリスなどでも若年層のネット利用制限に関する検討が進んでいる。ドイツ国内でもこうした海外の先行事例が参考にされ、子どものデジタル環境の安全性を高める議論が広がりつつある。
ただし、ドイツではメディア規制は各州政府の権限であるため、全国的なルールの導入には各州間での調整が必要となる。メルツ政権はこの点を踏まえて連邦政府としての方針を調整し、州との協力体制の構築を進める方針だ。
また昨年、政府はオンライン上での若者保護に関する調査を行う特別委員会を設置、同委員会の最終報告書は今年後半に提出される見通しである。この報告に基づき、法的な枠組みや具体的な年齢制限、プラットフォーム側の義務付け策などが検討されるとみられる。
専門家の中には、単なるアクセス制限だけではなく、年齢確認システムの強化やアルゴリズムによる推薦機能の制限、デジタル・リテラシー教育の推進など、多面的な対策が必要だとの指摘もある。政界内外では、子どもたちの健全な成長とデジタル社会への適応を両立させるためのバランスが引き続き議論される見込みである。
