◎欧州ではこの数カ月、食料や燃料価格の高騰に抗議するデモやストが相次いでいる。
フランスの労組は10日、鉄道労働者、教師、その他の公務員の賃上げを求める全国一斉ストライキを決行し、政府に圧力をかけた。
労組と活動家たちは首都パリや他の都市を行進し、インフレにあえぐ人々を救うよう政府に求めた。
欧州ではこの数カ月、食料や燃料価格の高騰に抗議するデモやストが相次いでいる。看護師、パイロット、郵便局員、鉄道員などがウクライナ侵攻に端を発するインフレに抗議し、政府と企業にインフレ率を考慮した賃上げを要求している。
報道によると、パリ地下鉄のいくつかの路線が閉鎖され、主要路線は本数を大幅に減らして運行しているようだ。
多くの労働者がバスやタクシーを利用した。一部のSNSユーザーは「在宅ワークに切り替えた」と投稿している。
観光客はアプリやSNSで移動方法を共有し、パリ周辺で自動車を利用した人は大渋滞に巻き込まれた。
強硬派労働組合「フランス労働総同盟(CGT)」の組合員はAP通信の取材に対し、「インフレを考慮しなければならない」と語った。「政府も会社も雇用主も、私たちの声に耳を傾けようとしません...」
フランス政府は昨年、天然ガス価格に上限を設け、家計を支える複数の支援策を実行したため、同国の消費者物価指数(CPI)は他のEU諸国に比べると低くなっている。
しかし、人口の大多数を占める低中所得者層はそれでも燃料と食料の値上がりに悲鳴を上げている。
パリ近郊のデモに参加した学生はAPに、「卵1パックやパンすら買えない家庭がある」と述べた。「経済大国のひとつであるフランスでそんなことが起きるなんて許されません」
今回のストはインフレ率に見合った賃上げを求める石油労組のストを基礎としている。
製油所の労組が先月行った数週間におよぶストは全国的な燃料不足を引き起こし、経済と国民生活に大きな影響を与えた。
他の欧州諸国でも労組が精力的に活動し、指導者に圧力をかけている。
ベルギーで9日に行われたゼネストでは多くの地域で渋滞が発生し、ギリシャでも一部の公共サービスが停止した。