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フランス警察が左派系欧州議会議員を拘束、Xへの投稿めぐり


ハッサン氏はパレスチナ系フランス人として知られ、LFIの有力メンバーの一人だ。
欧州議会のリマ・ハッサン議員(AP通信)

フランスの極左政党「左派政党「不屈のフランス(LFI)」」に所属する欧州議会のリマ・ハッサン(Rima Hassan)議員が2日、ソーシャルメディアへの投稿を巡る容疑でパリ警察に拘束された。捜査当局は同氏が先月、X(旧ツイッター)に投稿した内容がテロ行為を是認・称賛するものとみなされ得るとして捜査を進めていた。地元メディアによると、ハッサン氏とその弁護士はコメントを出していない。

拘束の発端となった投稿は、3月26日にハッサン氏がXに投稿したもので、1972年にイスラエルの空港で日本赤軍メンバーが実行したテロ攻撃に言及した内容だった。この攻撃では26人が死亡、多数が負傷した。報道によると、ハッサン氏はその投稿を削除しているが、当局はその引用内容が「テロ行為に対する擁護や正当化」と解釈される可能性があると判断し、捜査対象としていた。捜査はオンラインヘイト対策を担当する部門が主導している。

ハッサン氏の拘束について、LFIのメランション(Jean-Luc Mélenchon)氏も自身のXアカウントで明かした。メランション氏は、ハッサン氏が先月の投稿を理由に再び「政治警察」に拘束されたと批判し、フランスにおける議員免責特権の意味が失われつつあるとの見方を示した。またメランション氏はこれを「耐えがたい」と述べ、政治的な弾圧と主張した。

フランス国内では政治家の発言やSNS上の表現を巡る規制と表現の自由の境界が近年大きな論争となっている。特にテロリズムや暴力に関連する発言が捜査の対象となり、政界や法曹界で議論が続いている。ハッサン氏は過去にも論争の的となった発言や行動で批判を受け、今回の事案はその延長線上にあるとみられている。

ハッサン氏はパレスチナ系フランス人として知られ、LFIの有力メンバーの一人だ。欧州議会議員として左派の立場から国際問題や人権問題を訴えてきたが、その活動は支持者と批判者の間で賛否が分かれてきた。今回の拘束は彼女の政治的立場や発言が国内外で再び注目されるきっかけとなっている。

一方、捜査当局は今回の投稿がテロ関連規定に抵触するかどうかを慎重に調べている。報道によると、起訴状が正式に提出されたわけではなく、捜査が進行中である。ハッサン氏の弁護士がどのような弁論を展開するかも今後の焦点となる見込みだ。また、表現の自由と国内法の境界について、政治的意図や司法判断がどのように評価されるかにも注目が集まる。

この拘束はフランスにおける政治的対立と司法の関与が絡む複雑な事案として受け止められている。支持者はハッサン氏の拘束を政治的弾圧と見なし批判している一方で、反対派は過激な表現への法的対応の正当性を主張している。どのような結論に至るかは今後の捜査と司法手続き次第であるが、フランス国内の政治環境や言論規制に関する議論をさらに激化させる可能性がある。

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