◎極右のエリック・ゼムール候補の支持者たちはエッフェル塔の前で「マクロン、人殺し」と何度も叫び、集会を盛り上げた。
2022年3月27日/フランス、パリのエッフェル塔前、極右のエリック・ゼムール氏(Lewis Joly/AP通信)

フランスのマクロン大統領は28日、大統領選挙のキャンペーン活動を本格的に開始した。

AFP通信などによると、マクロン大統領は極右の支持者から「人殺し」と呼ばれたことに憤慨したという。

仏大統領選の第1ラウンドは4月10日に行われる予定。第1ラウンドで過半数を獲得する候補者が出なかった場合は4月24日の決選投票で勝者を決める。

各紙の世論調査はマクロン大統領優勢と伝えているが、第1ラウンドで勝者が決まる可能性は低く、エネルギー価格の高騰やロシア・ウクライナ戦争の先行きも不透明なため、勝者を予測することは難しい。

マクロン大統領を除く12人の候補者はすでに各地でイベントを開催しているが、公式には28日が選挙戦の正式な開始日である。

候補者は28日から有権者に綱領を送ることができるようになる。また地元メディアは法律に基づき、各候補を紹介する時間やその他の規則を遵守しなければならない。

マクロン大統領は戦争の影響で選挙キャンペーンを縮小していたが、28日にブルゴーニュ地方の都市ディジョンを訪問し、職業訓練校や料理学校の生徒と機会の向上などについて話した。

マクロン大統領は27日にパリで行われた極右集会の中で支持者に「人殺し」と呼ばれたことについて、「ゼムール氏は政治的な信頼に欠けるか、耳が遠いのだろう」と述べ、批判した。

反移民、反ゲイ、反イスラムを公約に掲げるゼムール氏の支持者たちはエッフェル塔の前で「マクロン、人殺し」と何度も叫び、集会を盛り上げた。ゼムール氏はしばらく無言で立ち尽くし、演説を再開した。

ゼムール氏はマクロン大統領が国内で発生したテロやその他の事件からフランス人を保護できなかったと批判しており、一部の支持者がこれに過剰反応したと思われる。テロは右派が政権を握った時代にも発生している。

フランスの選挙でこのレベルの暴言は珍しく、ゼムール氏は「人殺し」の合唱を静めなかったため、批判を浴びることになった。ゼムール氏は演説後、支持者の声を聞いていなかったと弁解し、選挙チームも「人殺し」発言を非難した。

マクロン大統領は記者団に、「彼らは私が行ってきた改革を知らないようだ」と皮肉を込めて言った。

ヘイトスピーチで3度有罪判決を受けたゼムール氏は選挙戦を揺さぶり、長年極右のリーダーを務めてきたマリーヌ・ル・ペン党首の支持層を奪いつつある。

ゼムール氏はフランス国内の移民やイスラム教徒の数を誇張し、非白人がフランスの乗っ取りを企んでいるという根拠のない人種差別発言を繰り返している。

しかし、一部の候補者が安全保障や移民について語る一方、有権者の最大の関心事はそれらから購買力に移っている。

マクロン大統領とル・ペン党首はこの問題を重視しており、決選投票に進出する可能性が最も高いと思われる。各紙の世論調査はおおむね、1位マクロン(中道)、2位ル・ペン(極右)、3位メランション(左派)、4位ゼムール(極右)、5位ペクレス(右派)と予想している。

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