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復活したフランス首相、野党に対話呼びかけ、予算成立見通せず

ルコルニュ氏は6日、新内閣を発足させてから1日も経たぬうちに辞意を表明。少数与党に残された選択肢は限られているように見える。
2025年10月11日/フランス、パリ郊外、記者団の取材に応じるルコルニュ首相(AP通信)

復活したフランスのルコルニュ(Sebastien Lecornu)首相は11日、後任候補がほとんどいなかったことを認め、現在の深い政治的分断を考慮すると、この職に長く留まれない可能性があると表明した。

マクロン(Emmanuel Macron)大統領は10日、今週初めに辞任したルコルニュ氏に再挑戦を促し、政治的な行き詰まりを打開するよう要請した。

これにより、ルコルニュ氏は辞任から1週間も経たぬうちに首相に返り咲き、再び野党と対峙することとなった。

この人事はマクロン政権に与えられた最後のチャンスになる可能性がある。

ルコルニュ氏は6日、新内閣を発足させてから1日も経たぬうちに辞意を表明。少数与党に残された選択肢は限られているように見える。

この辞任でフランスの政治危機は深刻化。野党はマクロン氏に議会を解散するよう促している。

ルコルニュ氏はパリ郊外で記者団の取材に応じ、26年度予算をまとめるため、各政党に冷静な対応を求めた。

しかし極右と極左の政党はこの人事を笑い飛ばし、ルコルニュ氏とマクロン氏に辞任を要求した。

ルコルニュ氏は9月9日に前任者のバイル(Francois Bayrou)元首相の後任として、不安定な状況が続く中、この1年で4人目の首相に就任した。

国民議会(下院、定数577)はバイル氏の信任決議案を反対多数で否決。これにより、9ヵ月前に発足したバイル政権は崩壊し、マクロン氏は新たな首相を任命するか、議会を解散するかの選択を迫られた。

マクロン氏はルコルニュ氏を後任に指名。26年度予算案について、政党間の合意形成を直ちに図るよう指示したが、野党を納得させることはできなかった。

フランスは増大する経済課題と膨張する債務に苦しみ、政治危機がその問題を悪化させ、EU全体に警戒感をもたらしている。

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