◎EUはロシア便の受け入れを禁じているが、陸路で入国することは可能であり、多くのロシア人が国境を接するフィンランドやエストニアから他国行きの便に搭乗している。
フィンランド政府は1日、ロシア人向けビザの発給数を通常の10分の1に削減した。
ウクライナ政府はロシア人のEU圏内への入国を完全に禁じるようEU加盟27カ国に求めている。ロシアと国境を接するフィンランドは先月、この訴えに応じ、ひとまずビザの発給数を10分の1に減らすと発表していた。
フィンランドのハービスト(Pekka Haavisto)外相は8月31日、チェコの首都プラハで開催されたEU外相会合の中で、「ウクライナ人が苦しんでいる時にロシア人観光客を受け入れるのは間違っている」と指摘した。
ロシア人は週に一度、ロシアの4都市でのみフィンランドの観光ビザを申請できる。対象はモスクワ、サンクトペテルブルグ、ムルマンスク、フィンランド国境に近いペトロザボーツクの4都市。
ハービスト氏はヘルシンキ空港を経由するロシア人のEU観光ルートが人気を博していると指摘した。
EUはロシア便の受け入れを禁じているが、陸路で入国することは可能であり、多くのロシア人が国境を接するフィンランドやエストニアから他国行きの便に搭乗している。
フィンランド外務省はビザの発給数を減らす一方、プーチン政権に批判的なロシアの人権活動家、市民グループ、ジャーナリストを支援するため、新しい種類の人道的ビザを作る取り組みを進めていると発表した。
31日のプラハ会合ではロシア人の旅行規則を強化することが決まったが、フィンランド、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアが求めている観光ビザの全面発給禁止は叶いそうにない。
ロシア大統領のペスコフ(Dmitry Peskov)報道官は1日、プラハ会合の決定を不合理と非難した。またペスコフ氏はこの決定に対応する措置を検討していると明らかにした。
フィンランドはロシアと1340キロの国境を共有し、ロシア人観光客にとって最も人気のある欧州の観光地のひとつである。