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欧州各国が警戒態勢に、ユダヤ施設や在外公館で爆発相次ぐ

背景には中東情勢の緊張の高まりがあるとみられている。
2026年3月9日/ベルギー、東部リエージュ、爆発があったシナゴーグ前(AP通信)

欧州各国で安全保障への警戒が強まっている。ベルギー東部リエージュのシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所)近くで爆発が起きたほか、ノルウェーの首都オスロでは在米国大使館の入り口で爆発が発生し、各国当局が警備体制の強化に乗り出した。中東情勢の緊張が続く中、欧州でも関連する攻撃への懸念が広がっている。

ベルギーでは9日未明、リエージュ市内のシナゴーグ付近で爆発が発生した。爆発によって建物の窓ガラスが割れるなどの被害が出たものの、施設内に人はおらず、負傷者は報告されていない。警察は周辺地域を封鎖し、爆発の原因や関与した人物の特定を進めている。

内務省報道官はX(旧ツイッター)への投稿でこの爆発を「反ユダヤ主義的行為」と強く非難した。事件はユダヤ人社会を直接狙った攻撃の可能性があるとして、捜査当局がテロ関連犯罪として捜査を進めている。政府は国内のユダヤ施設周辺の警備を強化する方針を示した。

一方、ノルウェー・オスロでも8日未明、在米国大使館の外で爆発が発生した。警察によると、現地時間午前1時ごろに大きな爆発音が聞こえたとの通報があり、建物の入り口付近で損傷が確認された。ケガをした人はいなかった。

捜査当局は何者かが即席爆発装置(IED)を設置した可能性があるとみて調べている。防犯カメラにはリュックサックを持った人物が現場から立ち去る様子が映っていたとされ、警察が行方を追っている。現時点で容疑者は特定されていない。

ノルウェー警察は今回の爆発が大使館を狙った意図的な攻撃だった可能性も含め、複数の仮説を検討していると説明した。政府は事件を重大な事案として扱い、米国当局とも連携して捜査を進めている。

これらの出来事を受け、ベルギーやフランス、ドイツなど複数の欧州諸国が警備を強化した。特にユダヤ関連施設や外交施設など、標的となり得る場所の警戒を高めている。

背景には中東情勢の緊張の高まりがあるとみられている。欧州諸国は直接紛争に関与していないものの、米国とイスラエルをめぐる国際情勢の影響が欧州にも及ぶ可能性が指摘されている。治安当局は今回の事件同士の関連性についても含めて慎重に調査を進めている。

現時点で両事件による死傷者は確認されていないが、欧州の治安機関は今後同様の事件が発生する可能性も排除できないとして警戒を続けている。各国政府は市民に冷静な対応を呼びかけるとともに、公共施設や宗教施設の安全確保を急いでいる。

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