◎この72人は23年前の9.11同時多発テロに触発され、テロ計画や暴力行為を計画していたとされる。
オーストリア、首都ウィーン(Getty Images)

オーストリアの捜査当局が今週、イスラム過激派とされる72人に対する家宅捜索を実施した。現地メディアが12日に報じた。

当局によると、この72人は23年前の9.11同時多発テロに触発され、テロ計画や暴力行為を計画していたとされる。

当局は声明で、「昨年はウィーン中央駅でのテロを未然に防いだが、世界各地でこの日にテロが発生する危険性は依然として高い」と述べた。

地元メディアによると、一斉家宅捜索は全国各地で10日に行われたという。

同国では先月、米歌手テイラー・スウィフト(Taylor Swift)さんのコンサートを襲撃する計画を立てたとして、19歳の男らが逮捕されている。

この男はオーストリア人で、イスラム国(ISIS)に感化され、コンサート会場を襲撃しようと考えていた。

当局はその後、17歳の容疑者の自宅からもISISと国際テロ組織アルカイダの資料を発見したと明らかにした。

オーストリア放送会社(ORF)は10日の家宅捜索について、関係者の話しとして、「複数の家宅捜索、容疑者の尋問、イスラム過激派プロパガンダの証拠が含まれる携帯電話などのデジタル機器を押収した」と伝えている。

捜査当局は声明の中で、スウィフトさんのコンサート襲撃計画に言及。「このテロ未遂は過激派を追及するという治安当局の捜査が極めて重要であることを示している」と強調した。

内務省は別の声明で、「このような陰謀を根絶できるよう、捜査当局の権限を強化する必要がある」と指摘。現在、オーストリア当局はしばしば他国の諜報機関に頼っているという。

それによると、スウィフトさんの襲撃計画は米中央情報局(CIA)が事前に察知。オーストリアの諜報機関はCIAなどとは異なり、個人のテキストメッセージを合法的に監視することができないという。

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