◎市議会で可決された新たな条例案により、歓楽街の路上で大麻を吸うことは禁じられる予定だ。
オランダ、首都アムステルダムの歓楽街(Getty-Images)

オランダの首都アムステルダムはまもなく、歓楽街の規制を強化する。

地元メディアによると、市議会で可決された新たな条例案により、歓楽街の路上で大麻を吸うことは禁じられる予定だ。

この条例は5月中頃に施行される予定。市議会は長年、市民団体などから「歓楽街の独特な雰囲気」を改善するよう要望を受けてきた。

一部の専門家は「歓楽街の規制強化はアムステルダムの観光産業に影響を与える可能性がある」と指摘している。しかし、多くの住民、特に女性は歓楽街が犯罪を誘発し、アムステルダムを住みにくい街にしていると批判してきた。

条例が施行されると、セックスワーカーを雇う店舗は午前3時までに店を閉めなければならなくなる。

地元メディアはほぼすべての市議が条例案を支持したと報じている。

条例案によると、歓楽街を含むアムステルダム市内のレストランおよびバーの営業時間は午前2時まで。午前1時を過ぎると歓楽街エリアのゲートが閉められ、新規入場はお断りとなる。

さらに、木曜から日曜の午後4時以降は歓楽街の商店、酒屋、カフェなどでのアルコール販売も禁じられる。

市議会は業者に対し、対象の時間帯は店先から完全にアルコールを取り除くか、見えないようにするよう要請する予定だ。バーとレストランは対象外である。

アムステルダムの公共スペースでアルコールを飲むことはすでに禁じられている。公園や電車で飲むと逮捕されるぞ。

一方、条例案に反対する人々はいわゆる「大麻カフェ」が営業できなくなれば、アムステルダムの魅力が半減すると警告している。

専門家によると、大麻カフェは年間数百万人の観光客を引き付け、街を活気づかせているという。しかし、地元住民は大麻カフェに「ヤバい連中」が集まり、コカインや覚せい剤を乱用して犯罪率を高めていると不満を漏らしている。

オランダの法律は大麻を含む薬物の所持、製造、取引を禁じている。ただし、大麻に限っては、「大麻の利用が二次的な問題を引き起こさない」という条件付きで、さらに、利用に関するさまざまな制約のもと、個人による栽培・所持・利用を「許容」している。

市内のカフェは特定の条件をクリアすれば、18歳以上に大麻を販売できる。ただし、大麻を吸わない客が迷惑だと警察に異議を申し立てれば、カフェは販売許可を失ったり、場合によっては刑事告発される可能性もある。

アムステルダム市議会は今春、ドラッグ・アルコール・セックス目的でアムステルダムを訪れる観光客を対象に「犯罪行為に関与しない・させない」キャンペーンを展開する予定だ。

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