◎アルバニアの大統領の権限は限られており、主に外交を担当する。
アルバニア議会は4日、新大統領に陸軍の最高幹部のひとりであるベガジ(Bajram Begaj)将軍を選出した。
地元メディアによると、ベガジ氏は4回目の投票でようやく選出されたという。
議会はベガジ氏の就任を賛成78ー反対4で承認した。
与党社会党はメタ(Ilir Meta)大統領の後任候補について野党と妥協できず、紆余曲折の末、ベガジ氏を指名した。野党は候補を擁立せず、投票をボイコットした。
ベガジ氏は共産主義後のアルバニアの第8代大統領に就任する予定。軍出身者が大統領に就任するのは3人目である。
同国の大統領の権限は限られており、主に外交を担当する。任期は5年で、3選は認められていない。
ラマ(Edi Rama)首相は演説で、ベガジ氏を大統領にふさわしい人格者と称賛した。
ベガジ氏は投票後、軍のポストから解任された。社会党と対立しているメタ大統領はベガジ氏の就任を支持し、祝辞を述べた。
引継ぎ式は7月24日に行われる予定。
ベガジ氏は2020年7月から陸軍の参謀長を務めていた。それ以前は、公立病院や軍病院などのポストを歴任し、米国で戦略的医療指導や国防管理に関する研修も受けている。
EUや米国をはじめとする西側諸国はベガジ氏に祝電を送った。
EUのボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表は4日、「我々はベガジ次期大統領と安全で強固なEUの関係を構築することを楽しみにしている」とツイートした。
アルバニアは先週、首都ティラナ近郊の海軍基地をNATOに提供したと明らかにした。