◎アルバニアでも他の欧州諸国と同じく、食料・燃料が高騰している。
2022年11月12日/アルバニア、首都ティラナで行われた反政府集会(Franc Zhurda/AP通信)

アルバニアの首都ティラナで12日、インフレと政府の汚職疑惑に抗議する集会が開かれ、野党支持者数千人が参加した。

デモ隊は首相府近くの通りに集まり、ラマ(Edi Rama)首相に辞任を要求した。主催者は中道右派の野党「アルバニア民主党」。

地元メディアによると、一部の暴徒が政府庁舎に赤い塗料を吹き付け拘束されたという。またナイフを所持していたとされる男が現行犯逮捕されたようだ。

アルバニアでも他の欧州諸国と同じく、食料・燃料が高騰している。

デモ隊はラマ政権のせいで毎年多くの若者が国外に流出していると主張し、解散総選挙を求めた。

ラマ氏は家庭と中小企業向けの支援などのおかげでアルバニアの消費者物価指数(CPI)が1桁増で抑えられていると言及している。

集会にはアルバニア民主党のベリシャ(Sali Berisha)元首相なども参加した。

アルバニアでは来年5月に統一地方選が予定されている。

ベリシャ氏は野党が政権に復帰した場合、賃金と年金を倍増させると公約し、国民に支持を呼び掛けている。

しかし、米国務省は昨年、ベリシャ政権時代(2005年~2013年)の民主主義を損ねる数多くの汚職を非難し、ベリシャ氏とその関係者を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定した。

ペルソナ・ノン・グラータは外交団を受け入れる側に与えられる権限のひとつで、一方的に発動可能。発動理由を提示する義務はなく、宣言を受けた大使は外交的地位を剥奪される。

地元の独立系メディアもベリシャ氏を「野党の醜い内紛を引き起こした張本人」と糾弾している。

2022年3月12日/アルバニア、首都ティラナ、インフレと燃料価格高騰に抗議するデモ(Franc Zhurda/AP通信)
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