◎メキシコの暴力、ハイチの混乱、ロシアによるウクライナ侵攻が増加に寄与した。
2022年3月13日/米ワシントンD.C.ホワイトハウス前、ジャーナリストへの攻撃とウクライナ侵攻に抗議するポスター(Alex Brandon/AP通信)

国際ジャーナリスト連盟(IFJ)は9日、今年仕事中に殺害された報道関係者が確認できているだけで67人に達し、昨年から大幅に増加したと発表した。

IFJによると、メキシコの暴力、ハイチの混乱、ロシアによるウクライナ侵攻が増加に寄与したという。

今年これまでに死亡が確認された報道関係者は67人に達し、昨年の47人を上回った。

また、報道関係者少なくとも375人が仕事の影響で投獄されているという。投獄を多用している国は中国、ミャンマー、トルコ、ロシア、香港。

IFJや他のメディア団体は報道の自由を保護するよう各国政府に呼びかけている。

IFJのベランジェ(Anthony Bellanger)事務局長は声明の中で、「報道の自由と国民の知る権利が著しく損なわれている」と警告した。

IFJによると、ウクライナ侵攻の取材中に死亡した報道関係者は確認できているだけで12人に達したという。その多くはウクライナ人であったが、米国のドキュメンタリー映画監督や他国の記者も含まれている。

犠牲者の大半は侵攻開始から数週間以内に死亡したと報告されているものの、ミサイル攻撃やロシア軍が残した地雷などによる脅威は今も続いている。

IFJはメキシコの組織犯罪やハイチにおける法秩序の崩壊も死者の急増に寄与したと指摘。今年、メキシコで殺害された記者は確認できているだけで20人近くに達し、過去最多を更新している。

パキスタンの政治危機でも記者5人が死亡。コロンビアでは紛争地で危険な状態が続き、フィリピンでは新しい指導者が誕生したにもかかわらず、記者への嫌がらせや攻撃が続いているとした。

またIFJはヨルダン川西岸地区で取材中に頭を撃ち抜かれたアルジャジーラのアクレ(Shireen Abu Aqleh)氏に言及し、パレスチナの緊張が高まっていることに深刻な懸念を示した。

アルジャジーラは今週国際刑事裁判所(ICC)に事件を調査するよう要請した。

IFJはブリュッセルに本部を置き、140カ国以上の報道機関や関係者約60万人を代表している。報告書は国際人権デー(12月10日)に先立ち公表された。

2022年10月30日/ハイチ、首都ポルトープランス、催涙ガス攻撃で負傷した記者を運ぶ人々(Ramon Espinosa/AP通信)
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