◎アクレ氏は今年5月、ヨルダン川西岸でイスラエル軍の急襲作戦を取材中に被弾、死亡した。
2022年5月19日/ヨルダン川西岸、アルジャジーラの記者アクレ氏の肖像画(Majdi Mohammed/AP通信)

カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは6日、ヨルダン川西岸地区で記者のアクレ(Shireen Abu Aqleh)氏が射殺された事件について、国際刑事裁判所(ICC)に調査を要請した。

アルジャジーラはイスラエル軍がアクレ氏を故意に撃ったと主張している。

アクレ氏は今年5月、ヨルダン川西岸でイスラエル軍の急襲作戦を取材中に被弾、死亡した。パレスチナはアクレ氏と一緒に行動していた別の記者もイスラエル軍に銃撃されたと説明している。

アルジャジーラの弁護士と関係者はICC検事に書簡を提出し、アクレ氏の事件だけでなく昨年ガザ地区を襲ったイスラエル軍の空爆も合わせて調査するよう要請した。

アクレ氏の姪は記者団に対し、「遺族には真実を知る権利がある」と語った。遺族は今年9月、ICCの調査を求める請願書を提出した。

イスラエル政府は兵士が放った銃弾がアクレ氏に当たったことを認めたが、故意でなく事故と主張している。

ラピド(Yair Lapid)首相は6日、「誰もイスラエル兵を調査しないし、戦場のモラルについて説教を受けるつもりはない」と述べ、事件の調査は完了したという認識を改めて示した。

アルジャジーラはこの事件をパレスチナの報道の自由に対する攻撃とみなし、厳しく糾弾している。

アルジャジーラの弁護士は記者団に対し、「パレスチナで活動するジャーナリストは標的にされている」と語った。

ICCは2015年、ガザ地区と占領下のヨルダン川西岸におけるイスラエルの戦争犯罪の疑惑について予備審査を開始したが、イスラエルの裁判所に管轄権があると判断し、現時点で調査は行っていない。

米司法省はこの問題に関する独自の調査を行っている。アクレ氏は幼少期を米国で過ごし、米国籍を取得していた。

2022年12月6日/オランダ、ハーグの国際刑事裁判所前、アルジャジーラの関係者と弁護士(Peter Dejong/AP通信)
スポンサーリンク