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トルコ政府、シリアへの軍事介入示唆、クルド勢力に警告

アレッポでは先週、政府軍とクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」との間で5日間に及ぶ戦闘が発生し、少なくとも23人が死亡、15万人以上が避難を余儀なくされた。
2026年1月15日/トルコ、イスタンブール、フィダン外相の記者会見(ロイター通信)

トルコのフィダン(Hakan Fidan)外相は15日、シリア北部での国軍とクルド勢力との衝突を巡り、シリア暫定政権は平和的解決を望んでいるものの、対話が進まなければ武力行使も選択肢になり得るとの見解を示した。これは北部アレッポで激しい戦闘が数日にわたり続き、シリア情勢が再び不安定化していることを背景とする発言である。

アレッポでは先週、政府軍とクルド人自治区の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」との間で5日間に及ぶ戦闘が発生し、少なくとも23人が死亡、15万人以上が避難を余儀なくされた。フィダン氏はイスタンブールの記者団に対し、「対話で問題が解決されない場合、残念ながら武力行使が選択肢になる可能性がある」と述べた。

トルコ政府はSDFをテロ組織とみなし、国内で長年武装闘争を続けてきたクルド労働者党(PKK)との関係を理由に警戒を強めている。フィダン氏はSDFが暴力の連鎖を断ち切り、好意的な姿勢を示す必要があると強調した。また、PKKとの和平プロセスについても触れ、機会を逃すべきではないとの考えを示した。

シリアではシャラア(Ahmed al-Sharaa)大統領が14年以上に及ぶ内戦後の国家統一を目標に掲げているが、クルド勢力は暫定政権への不信感を抱き、包括的な統合に抵抗している。このため和平プロセスは難航、SDFの統合を巡る協議は停滞している。

アレッポでの衝突はSDFが政府軍への統合案を拒否したことが一因とされ、暫定政権は複数のクルド地域を「軍事区域」と宣言し、SDFを含む非国家武装勢力に撤退を求めている。これに対してSDF側は政府への不信感から応じない姿勢を示している。

トルコはシリア情勢を自国の安全保障と密接に関連付け、必要に応じて暫定政権を支援する意向を示してきた。トルコ国防省はシリアが要請すれば、対テロ支援を提供する用意があると表明。域内での軍事的緊張が高まる可能性を示唆している。

一方、SDFはイスラム国(ISIS)掃討に貢献した主要な戦力であり、米国を含む国際社会の支援を受けていた経緯がある。しかし、シリア政府との統合協議が進まない中での衝突激化は、地域全体の安定に重大な影響を与えかねないとの懸念が広がっている。

現在の情勢は戦闘の激化と和平努力の間で揺れており、シリア政府の今後の動き次第で軍事衝突が一段と拡大する可能性もある。

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