トルコ、未成年者のソーシャルメディア利用制限へ
報告書は16歳未満のソーシャルメディア利用を禁止する案や、18歳未満のユーザーが利用する機器に夜間アクセス制限を設ける提言を含んでいる。
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トルコ政府が未成年者のソーシャルメディア利用を制限する法整備に向けた動きを本格化させている。議会が今週まとめた報告書は、年齢確認制度の導入や有害コンテンツのフィルタリング、夜間のインターネット利用制限など幅広い対策を盛り込んでおり、エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領の与党・公正発展党(AKP)は近く関連法案を提出する見込みだ。報告書に基づくこの動きは、子どもをインターネット上の有害情報や依存から守る狙いで、欧州やオーストラリアなど世界各国で進む未成年者向けデジタル規制の流れに沿ったものだ。
報告書は16歳未満のソーシャルメディア利用を禁止する案や、18歳未満のユーザーが利用する機器に夜間アクセス制限を設ける提言を含んでいる。またプラットフォーム事業者に対し、有害コンテンツを自動的に検出・削除するフィルタリングシステムの構築を義務付けることも盛り込まれた。さらに、無断でコンテンツを削除できる権限や、AI機能を持つ子ども向けゲームや玩具に潜む有害情報の監視も推奨されている。報告書をまとめた議会人権調査委員会は、「子どもたちを道徳的浸食から守る必要がある。あらゆるデジタル依存から子どもを保護するのが狙いだ」と述べている。
トルコ国内では、多くの親が子どものスマホ利用やソーシャルメディアへの依存を懸念している。ある商店主はロイター通信の取材に対し、10歳の息子が放課後何時間もソーシャルメディアやゲームに没頭していると語り、「子どもたちは皆ソーシャルメディア中毒のようだ。有害なコンテンツにさらされ、状況は悪化する一方だ」と懸念を示した。
トルコ政府の動きは、オーストラリアが昨年12月に世界で初めて16歳未満のソーシャルメディア利用を全面的に禁止した政策を打ち出したことに続くものだ。同様の規制強化はスペインやギリシャ、スロベニアでも検討されており、フランス、イギリス、ドイツなどでも未成年者向けの利用制限策が議論されている。これらはデジタルプラットフォームが青少年の精神衛生や安全に与える影響を巡る国際的な懸念の高まりを反映している。
一方、ソーシャルメディア企業は年齢確認技術の脆弱性を指摘し、未成年者禁止措置が逆に子どもたちを規制の及ばないネット空間に誘導するリスクがあると警告している。年齢確認技術が十分に機能しなければ、未成年者が偽の年齢情報で規制をすり抜ける可能性があり、結果的に安全性が低いプラットフォームに流れる恐れがあるという。
トルコはすでに2010年代から強力なデジタル規制を実施し、2024年時点で120万以上のウェブページや投稿へのアクセスを遮断している。規制に従わないプラットフォームには広告禁止や帯域制限、最大で世界売上高の3%に相当する罰金など厳しいペナルティが科される。すでにゲームプラットフォームのRobloxやチャットアプリのDiscord、物語共有サイトWattpadはトルコで遮断され、過去にはウィキペディアも約3年間ブロックされた。
このように、トルコは未成年者保護を掲げたデジタル規制強化の一環として、ソーシャルメディア利用制限法の立案を進めているが、その実効性や表現の自由とのバランスを巡って今後議論が続く見通しだ。
