◎タリバンは2021年8月の政権奪取後、国際社会に基本的人権を保障すると約束したにもかかわらず、女性の権利を厳しく制限してきた。
アフガニスタンを統治するタリバンは10日、西部ヘラート州の州都にあるレストランが女性の立ち入りを禁じたと明らかにした。
同州の報道官によると、宗教学者や一般市民から州政府に対し、男女が公園のような緑地帯にあるレストランで食事をとっていることに苦情が寄せられたという。
タリバンは2021年8月の政権奪取後、国際社会に基本的人権を保障すると約束したにもかかわらず、女性の権利を厳しく制限してきた。
アフガンの女性は就労機会を奪われ、中等教育も禁じられている。
女性はジムに通えず、ひとりで旅行できず、公園(緑地帯含む)に行くことすらできず、ブルカ(全身を覆うイスラム教のヴェール)の着用を強制されている。
ヘラート当局はAP通信の取材に対し、「レストランの男女共同利用や女性がブルカを正しく着用していないことに苦情が寄せられている」と説明した。
APによると、女性のレストラン利用を禁じた地域はヘラート州の州都ヘラートのみ。その他の地域は利用可能だという。
ヘラート州の勧善懲悪省は一部メディアが「州内の全てのレストランが女性の立ち入りを禁じた」と報じたことについて、プロパガンダと断じた。
同省によると、学者や市民からの度重なる苦情を受け、女性の利用を禁止せざるを得なかったという。「一部のレストランは公園のような緑地帯にあるにもかかわらず、女性の利用を許可していたのです。これは完全な法律違反であり、多くの市民が怒りを表明しました...」
また同省は「市内の全てのレストランに治安部隊を配置し、法律を破る女性がいないか監視している」と述べた。
さらに同省は「外国の映画やテレビ番組、音楽DVDの販売が同州で禁止された」という報道を否定し、「事業主はイスラムの価値観に反する素材を販売しないよう助言されている」と主張した。
それによると、助言に従わなかった店は閉鎖されるという。
同省はヘラート州でインターネットカフェが閉鎖されたという地元メディアの報道を否定し、「ゲームセンターは不適切なコンテンツがあるため、子供の立ち入りを禁じている」と述べた。
インターネットカフェは学生が勉強などで利用するため、営業を許可したそうだ。