◎国連は先月、世界で最も女性を抑圧する国はアフガンであり、多くの女性と少女が基本的な権利を奪われていると非難した。
アフガニスタンを統治するタリバンは1日、北東部バダクシャン州の女性が運営するラジオ局がイスラム教の断食月「ラマダン(Ramdan)」中に音楽を流したため閉鎖されたと発表した。
アフガンで唯一の女性が運営するラジオ局「Sadai Banowan」は10年ほど前に開局。スタッフ8人のうち6人が女性である
バダクシャン州のタリバン報道官は声明で「同局はラマダン中に歌や音楽を流し、我が国の法律と規則に数回違反した」と述べている。
また報道官は「同局がシャリフ(イスラム法)と我が国の法律を受け入れ、二度とそのようなことはしないと誓えば、運営を許可する」と主張した。
しかし、Sadai Banowanは法に違反したというタリバンの主張を否定し、「閉鎖命令は女性の就労の場を奪う政治的陰謀」と非難した。
また同局は「ラマダン中に音楽や歌を流したことは一度もない」と強調した。
同局によると、タリバンの勧善懲悪省職員は3月30日に局内に入り、放送を停止するよう命じたという。
同局は声明の中で「政府に電話とメールで問い合わせたが、無視されている」と述べた。
2021年8月のタリバンによる政権奪取後、多くのジャーナリストが職を失った。首都カブールに拠点を置くジャーナリスト協会によると、多くの国内メディアが資金不足あるいはスタッフが国外に逃亡したため、閉鎖を余儀なくされたという。
国連は先月、世界で最も女性を抑圧する国はアフガンであり、多くの女性と少女が基本的な権利を奪われていると非難した。
タリバンは女性の就労機会を奪い、少女の中等教育を禁じている。
1990年代後半の旧タリバン政権は国内のテレビ・ラジオ・新聞をほぼ全て禁じていた。