◎タリバンは23日、小学6年生以上の女子生徒の就学許可を数時間で取り消した。
2021年3月27日/アフガニスタン、首都カブールの小学校(Rahmat Gul/AP通信)

アフガニスタンのタリバンは23日、小学6年生以上の女子生徒の就学許可を数時間で取り消したことを擁護した。

教育省は21日、女子生徒を含む国内のすべての学生の就学を23日から再開すると発表したが、就学再開から数時間後に決定を覆した。

西側諸国と国際金融機関はタリバンが中等教育の再開を含む女性の権利と国際法で定められている基本的人権を保障しない限りアフガニスタンに援助を提供しない方針である。

この逆転劇はあまりにも突然で、首都カブールや他の地域の学校は完全に不意を突かれた。AFP通信によると、多くの女子生徒が通学したものの、帰宅を命じられたという。

主要な人権団体はタリバンの決定を却下し、アフガニスタンを取り巻く不確実性を加速させる蛮行と非難した。

トーマス・ウエスト米特別代表は衝撃と深い失望を表明し、決定を「アフガニスタン国民と国際社会に対する裏切り」と呼んだ。

ウエスト氏はツイートの中で、「タリバンは全てのアフガニスタン人の教育を受ける権利を保障すると明言した」と指摘し、「国の将来と国際社会との関係を改善するために公約を果たすよう強く求める」と述べた。

AP通信によると、アフガンの中等教育支援に年間約2,000万ドル(24億円)を費やしているノルウェー難民評議会(NRC)はタリバンからの通知を待っているという。NRCは避難所、食料、法的サービスも提供している。

NRCの現地マネージャーであるドリエシュ氏はAP通信に、「私たちは現時点でこの変更についての正式な通知を受けておらず、11州の少女たちが通学したものの、帰宅するよう促された」と説明した。

またドリエシュ氏によると、一部の地域はタリバンの通知が届くまで6年生以上の就学を認めると主張したという。

タリバンの渉外・援助担当であるハシュミ氏は23日、AP通信の取材に対し、「決定は22日の夜遅くに下された」と語った。

ハシュミ氏は、「永遠に閉鎖されるとは言っていない」と述べ、措置は一時的なものと示唆したが、再開時期には言及しなかった。

国連のデュジャリック報道官は23日、「国連アフガニスタン支援団のデボラ・ライオンズ代表が23日にタリバンと会談し、決定を撤回するよう求めるつもりだ」と記者団に語った。

AP通信によると、教育省の報道官は22日、「すべての女子が学校に戻ることを許されるが、親が反対している地域やクラスを分離できない地域の指導者が就学を認めなければ、政府はその決定を擁護するだろう」と述べていた。

また報道官は「学校がこれらの条件を満たせば、6年生以上の就学は問題ないだろう」と述べたが、条件などの詳細には言及しなかった。「教育省は認める。ただし、今言ったように、これは文化的な問題であり、政府は地域指導者の考えを擁護する」

タリバンの強硬派は女性の就学や就労に否定的である。

昨年8月の政権奪取以来、上級指導者の間に考えの相違があるという報道が絶えない。AFP通信によると、一部の強硬派は国際社会とのつながりを望む穏健派と対立しているという。

穏健派はイスラム法に忠実でありながら、女性の就学や就労を認め、旧タリバン政権より穏やかな統治を求めている。

女性は現在、ブルカ(目以外を覆うイスラム教のベール)の着用は強制されていないが、髪を隠すヒジャブの着用を求められている。また保健省、教育省、カブール国際空港の出入国管理所、税関は女性の就労を認めた。

タリバンの復活以来、6年生以上の女子は国内の「ほとんどの地域」で就学を禁止されている。

一部地域の大学は今年初めに授業を再開したが、タリバンの勅令は極めて不規則で、守る地域と守らない地域が出ていると報告されている。

一部の州は女子生徒の就学を勝手に再開したが、ほとんどの州はタリバンの命令に従い、女子生徒のための教育機関を閉鎖した。

首都カブールの私立学校と大学は授業を維持している。

2021年9月11日/アフガニスタン、首都カブールのシャヒードラバニ教育大学で開催されたタリバンの集会(Getty Images/AFP通信/EPA通信)
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