◎内紛に関与したのはUAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける巨人旅団とシャブワ防衛軍で、7日遅くに衝突した。
イエメン、首都サナア、シーア派武装勢力フーシの戦闘員(Getty Images)

イエメン当局は8日、南部シャブワ州でサウジアラビア連合軍の内紛が発生し、民間人3人を含む少なくとも15人が死亡したと発表した。

当局によると、内紛に関与したのはUAE(アラブ首長国連邦)の支援を受ける巨人旅団とシャブワ防衛軍で、7日遅くに衝突したという。

双方はイエメンの大部分を支配するシーア派武装勢力フーシと7年以上戦っているサウジ連合軍に属している。

AP通信は政府筋の話を引用し、「巨人旅団は州知事の警察長官解任に反発し、シャブワ防衛軍と衝突した」と報じている。

またAP通信によると、8日未明にUAE軍が駐留する基地にミサイルが着弾したという。負傷者の有無は明らかにされていない。

双方は兵士と装甲車を市内に配備したと伝えられている。

AP通信の取材に応じた政府当局者は、「戦闘が発生した地域の数十世帯が避難を余儀なくされ、一部の小売店は暴力を恐れて閉店した」と語った。

国営サバ通信によると、国連の承認を受けるイエメン政府は8日に臨時閣議を開き、シャブワ州知事の決定(警察長官解任)を支持すると表明したという。

イエメン政府は当事者に武器を置くよう求め、「内輪もめはフーシ派を勢いづかせるだけだ」と非難した。

イエメン内戦は近代史上最悪と呼ばれる人道危機を引き起こし、この8年で少なくとも16万人が死亡。子供を含む1000万~2000万人が飢餓に直面している。

サウジ主導の連合軍はフーシ派の拠点を攻めつつ首都サヌアなどにミサイルを撃ちこみ、インフラを破壊し尽くした。しかし、絶え間ない空爆と地上戦にもかかわらず戦闘は膠着状態に陥り、人道危機を引き起こした。

政府とフーシ派は先週、既存の休戦協定を2カ月延長することに合意した。

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